反日愛国の勲章が欲しかった韓国の李明博大統領 心理に“日本トラウマ”か
以前、といっても10年前になるが、産経新聞ソウル支局長(論説委員)の黒田勝弘氏に講演していただいたことがあった。1980年当時は産経新聞は韓国内ではたいへん良い新聞として認められていたという。北朝鮮という共産主義国家と38度線で対峙していた韓国は当然反共国家であったからだ。ところが、2002年8月講演の中で、「今、産経新聞は極右の新聞とされてしまった」と、嘆いておられた。この20年で韓国は完全に左旋回してしまったということだ。
2000年金大中、金正日南北首脳会談が行われてからは北朝鮮の悪口を言えなくなった。当時、現代コリア編集長であった西岡力氏が北朝鮮の地下工作がまさに実を結んだ成果だったと主張しておられた。それほど思想的に民族の純粋性を北朝鮮は叫んできたのだ。戦後、韓国の親日家であった(故)朴正煕大統領は民族の純粋性において問題ありと・・・。同じ反日でありながら民族の純粋性においては北朝鮮の方が優位に立っている。これこそ今、韓国が抱えた最大のジレンマでもある。政権末期になると必ず出てくる日本たたき。しかし、この度は少し意味が違っているように思える。黒田氏の産経新聞の記事を参考にしていただければ幸いだ。
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結論的にいえば、任期切れを前に愛国・民族主義者としての“勲章”が欲しくなったということだろう。李大統領は企業経営者出身で“経済大統領”“実用主義”が看板だった。しかしモノ・カネのビジネス大統領では大衆受けしないし、政治家にはどこか寂しい。そこで「日本に対する断固たる姿勢」で愛国者として歴史に名を残そうというわけだ。
韓国で“独島”は皆が熱狂する愛国シンボルであり、日本のシンボル「天皇」への堂々たる「謝罪要求」に国民は留飲を下げ気分がいい。
韓国は近年、国政をめぐるあらゆる問題が与野党、左右両派、世代間…の激しい対立に見舞われ国論分裂で揺れてきた。次期大統領選でも最大課題は「対話と和解」だという。そんな中で反日だけは誰にも反対されない手っ取り早い愛国カードになっている。反米や反北朝鮮は賛否両論で国論は一致しないが、反日だけはもめない。だから皆がそれを利用し国論統一を楽しむ。
李明博大統領については実は以前から“日本トラウマ”がささやかれてきた。主に左派や反政府派など野党勢力だが、家族が戦前、日本で暮らしていて昭和16年に大阪で生まれたという経歴から、いわゆる“親日派疑惑”が言いふらされてきたのだ。
韓国で“親日派”とは、日本統治時代の対日協力者のことで今でも“売国奴”を意味する極めつきの非難だ。李大統領にとって幼少時代の日本生活は“親日”とはまったく無関係で迷惑な話だが、政治家とくに大統領としては気になる“言いがかり”だ。
このトラウマ(心の傷跡)の解消・払拭のため、ことさらの反日・愛国パフォーマンスに乗り出したのではないかという“説”だが、李大統領の心理は誰も分からないため、あくまで政界やマスコミ筋の推測である。
李大統領は最近の反日言動の背景について、慰安婦問題での日本の誠意のなさを挙げている。とくに昨年末、京都での日韓首脳会談の際、外交常識を無視した1時間もの長広舌で解決を訴えたのに聞いてもらえなかったと、日本を非難している。
慰安婦問題について野田首相が「知恵を出し合いたい」といっても「日本はなぜ聞き入れないのか」としきりにイラ立っている。財閥企業の経営者時代、トップダウンで物事を一気にやってきたブルドーザー式のワンマン社長を思わせる。外交は、文化の違う相手があり積み上げ作業だ。しかし政権末期の焦りからか、ついワンマンの地が出て相手の事情無視の外交放棄までいってしまった。
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