東アジア歴史文化研究会のブログ

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イラク首相がリヤドへ飛び、つぎにパキスタン首相もサウジへ 中東の政治地図に地殻変動の兆しか(宮崎正弘国際情勢解題)

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中東地図がシリア内戦を通じてアサド体制が継続する見通しとなり、ロシアが強く支援し、そんな中で、トルコの存在は軽視されがちだった。トルコが戦後一貫して問題視されたのはキプロス紛争だった。

その後、トルコはシリア内戦にも軍を投入し、ついでにクルド族への攻撃も忘れず、そのうえにバーレーンとイラクへ軍を出兵させ、かさねてリビア内戦に絡んだ。トルコがトリポリ政権を擁護するために軍を派遣したのだ。

これは中東政治のややこしさを繁栄すると同時に、近隣諸国はトルコの軍事力をより警戒するようになった。

イランは相も変わらずの反米で「イスラエルを滅ぼすのは公共の義務である」「イスラエルは一回の作戦でやっつける」などと物騒なことを唱え、バイデン政権との核合意復活交渉を水面下で進める。

最高指導者ハメネイ師の狂信的反米、イスラエル憎悪とザリフ外相のリアル・ポリティックスの懸隔が大きいことが最近の動きで顕著となった。

中東は、シリア、レバノン、イラクにイランの影響を受けた武装勢力やシーア派の浸透が見られ、これも懸念材料と移るのはスンニ派諸国である。

この間に、米国の仲介によってUAE、カタールなどがイスラエル承認に動き、一方でサウジアラビアはカショギ暗殺を米国が非難して以後、ワシントンと距離を置き始めた。

サウジアラビアはときに鵺的な行動を取るが、天敵イランと水面下で聯絡があり、イエーメンのフーシ支援問題が解決の見通しがたてば劇的な事態がおこる可能性もある。

四月末にイラクのカシム首相がリヤドを公式訪問し、サルマン皇太子と会談した。サルマンは「両国は本来、尊敬し合う友人であり、前向きの話し合いをしたい」とした。それまでサウジアラビアは「ハメネイ師はヒトラーだ」と非難し続けてきた。

イラクを通して、イランとの交渉のパイプを確保したのだ。

サウジにとっては泥沼化したイエーメン情勢、犠牲も多く出費も強いられるが、過激派フウシは明らかにイランの支援を受けているからだ。

こうした動きに敏感なイスラエルは、政治の混乱をまだ克服できない。

三月の総選挙から六週間を経ても少数乱戦、第一党のリクードとて四分の一の議席しか得られず、連立の組閣も出来なかった。

連立に前向きな政党でもネタニヤフ首相が嫌われた。そしてこの数日の動きは、ネタニヤフの組閣が絶望的となって、ベネットが連立工作を開始した。ベネットは元国防相、少数政党を率いる。同じく少数政党を率いるラピド元財務相が、連立政権のあたらしいかたちに合意し、連休明けに他の政党との協議を開始した。

それらの諸要因が加重され、地殻変動の予兆がでてきた

サウジアラビア、イスラエル、エジプトの協議にトルコが加わった。その流れにパキスタンのイムラン・カーン首相が飛びこんできた。5月7日、カーン首相が紅海に面したサウジのリゾート地で、サウジの指導者と会談が始めた。