東アジア歴史文化研究会のブログ

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大統領選で誰が勝っても…韓国経済は「日本を追い抜く」どころか政治主導で長期混乱期に突入へ 〝韓数字〟予測に大はしゃぎする左派系学者・ジャーナリストたち(室谷克実)

東アジア歴史文化研究会

2022.1/13

韓国の経済成長には勢いがあって、2027年には1人当たりの名目GDP(国内総生産)が日本を上回る―という予測に大はしゃぎしているのは、韓国人ではなく日本の左派系の学者やジャーナリストのようだ。

韓国政府発表の統計数字にだけ依拠して、韓国の経済を分析していけば、きっと上記のような予測が成り立つのだろう。

しかし、大統領選で目下トップを走る与党「共に民主党」候補の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事が面白いことを言った。「経済は科学ではなく政治だ」と。3月9日の投票で、誰が新大統領に決まろうと、韓国経済は「日本を追い抜く」どころか、政治主導により長期にわたる大混乱期に入ると見ておくべきだろう。

李在明氏が年初から、まさに「ド左翼」というべき姿勢を露骨に示し始めたのは、「左翼勢力の支持さえ固めれば、分裂含みの保守派を蹴散らすのは簡単」と読んだからだろう。中間派の支持を得るためのリップサービスはもう必要ないというわけだ。

彼は7日、ソウル大学で講演し、「銀行が(信用等級の低い)貧しい人々に高い利率でカネを貸しているのは正義ではない」と述べた。資本主義の根幹原理の否定といえる。

これに先立ち、過激派労組の連合体である「民主労総」の委員長は3日の仕事始めの式典で、「金持ちの蔵をたたき壊さなくては、不平等は解決されない」と述べ、財閥に対して過激な闘争を展開する方針を示した。

文在寅(ムン・ジェイン)「左翼」政権は、国民年金機構の株主権を武器に「大企業いじめ」の姿勢が鮮明だった。だが、実績となると、いくつかの反企業立法を成立させた程度で、解体に追い込んだ財閥は1つもない。

それを韓国の左翼勢力は「既得権益を持つ勢力の厚い壁のせい」と捉えている。李在明氏や民主労総委員長の発言は「左翼政権2期目は、その壁を破ろう」という闘争心の噴出と見るべきだろう。

李在明氏当選と決まれば、民主労総は「政権の紅衛兵」の色彩をさらに強める。

保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長が当選したら…。下野した「共に民主党」は民主労総との連携を深め、地方にある大手企業の工場でストを頻発させる一方、ソウルでは李明博(イ・ミョンバク)政権下での「狂牛病闘争」や、朴槿恵(パク・クネ)政権を倒した「ロウソクデモ」の再現を目指すだろう。

野党候補の1本化がなり、中道系野党「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)代表が当選したら…。左翼勢力は「彼は気弱な本質左派だから揺さぶりに弱い」と見て、攻勢は尹錫悦政権に対するよりも過激なものとなるかもしれない。

韓国政府が発表する「韓数字」の統計、つまり厚化粧のうえに美容整形手術まで施したような公式統計では、韓国の失業率はここ数年、3~4%だ。世界にも稀な低失業国家ということになる。

ところが現実は、仕事がないのに求職活動にも疲れ果て、家でゲームをしながら消日しているニートがたくさんいる。政府系機関の推計では29歳以下のニートは160万人に達する。

59歳以下の新規失業者数を上回るような新規雇用が60歳以上の年齢層にはある。それで名目上の雇用率は順調に推移している。しかし、60歳以上に対する新規雇用とは、地方自治体によるバラマキ型の失業対策事業であり、月30万ウォン(3万円相当)ほどにしかならない。

そんな実態が横にあれば、「個人の豊かさを示す購買力平価による1人当たりGNPで日本を抜いた」「名目GDPでも間もなく日本を抜く」と聞かされても、はしゃぎ回る気にはなれまい。

自虐的快感に酔うのは、「GNPの数値がすべて」と信じる、哀れな日本人たちだ。

(室谷克実)