東アジア歴史文化研究会のブログ

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中国、韓国で不動産バブルが終焉 価格が高止まりの日本、遅れて継続する金融緩和も終える気配なし

東アジア歴史文化研究会

2022.4.11

不動産の局地バブルが弾けるのは、もうちょい先か

2008年のリーマン・ショック直後から始まった世界的な金融緩和は、各国で不動産市場のバブルを形成した。ところが、日本はぐずぐずしているうちに景気が悪化。国民の不満が爆発して、09年には民主党政権が誕生してしまう。

その政権運営は、後に「悪夢の民主党時代」と呼ばれるほど稚拙なものだった。不幸なことに、そのさなかに東日本大震災に見舞われる。

景気が低迷しているにも関わらず、金融緩和は実に中途半端なレベルだった。民主党政権の支持率は低迷。12年末には解散総選挙に追い込まれる。

そこで政権を奪回した自民党が第2次安倍内閣を発足させる。翌13年3月に日本銀行総裁に就任した黒田東彦(はるひこ)氏が、米欧中に比べると周回遅れではあるが、「異次元」金融緩和を始めた。アベノミクスの看板政策だ。

景況感は目に見えて改善した。外国為替は円安に反転し、株価も上昇。しかし、この頃には一足先に金融を緩和させていた米国や中国では景気の過熱感が目立ち始めた。特に中国では、その過熱感が息切れしているところに米国の金利先高を見越したのか、急激に景況感が悪化。一気にリセッションに入るかと思われた。チャイナ・ショックだ。

ところが、米国が金融引き締めを先延ばししたことと、当局のテコ入れによって中国経済は再び成長路線に回帰。バブル崩壊をバブル政策によって立ち直らせたのだ。ただし、実質的には問題を膨らませて先送りしたに過ぎなかった。

その間、中国の不動産価格は右肩上がりで上昇。多くの人は住むためではなく、値上がり狙いの投機目的でマンションを購入した。上海や北京などの主要都市中心部のマンション価格は、東京よりも高くなっている。

一方、韓国では5年前にポピュリズムを絵に描いたような文在寅(ムン・ジェイン)政権が誕生。財政赤字を気にすることなくバラマキ政策を行った。2年前からはコロナ関連の景気対策がそれに輪をかけた。

その結果、韓国でも不動産価格は上昇。ソウル市の中心エリアでは、マンション価格が日本円にして軽く1億円を超えている。こちらも、その需要の多くは投機目的だ。

しかし、バブルはいつか弾ける。

中国では昨年後半から大手不動産会社のデフォルトが目立ち始めた。日本とは倒産に関する法制度が違うので、多くの企業はいまだ存続しているが、実質的には破綻したのも同然。今年は、それがより顕在化するだろう。

韓国も、去年の暮れあたりから市場が失速。今年に入って「バブル崩壊」的な報道が目立つ。可視化されるのも間もなくだ。

米国は今年、急激に金融を引き締める見通しである。韓国も自国通貨を守るために追随せざるを得ない。バブル崩壊は必至の情勢だ。

しかし、日本はすでに2周ほど遅れて継続している金融緩和を終える気配がない。不動産価格は高止まりのまま動かない。日本のバブル崩壊は、早くて周回遅れの来春ではないか。

■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。