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ロシア軍のウクライナ侵攻は準備完了 米英は増派、マクロンは一時間にわたりプーチンと電話会談(宮崎正弘国際情勢解題)

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ウクライナの戦雲、戦争回避の見通しは視界不良。

ポーランドはベラルーシとの国境186キロに、高さ5・5メートルの高い壁を作り始めた。2月10日から始まるロシアとベラルーシの軍事訓練を前に、難民が集中する可能性が高いからだ。

ベラルーシの独裁者ルカチェンコ大統領は「ロシアがもし攻撃されれば、戦うだろう」と豪語し、ロシアとの同盟の絆を強調した。

バイデン米大統領は8500人の米兵派遣を発表して準備に入ったが、さらに「若干プラスする」と1月29日に述べた。

英国ジョンソン首相は英国軍の東欧派遣を声明した(現在、英軍はエストニアに900,ポーランドに150人が駐屯)。

ミリー米統幕議長は「戦争となれば甚大な被害が出るだろう」とし、オースティン国防長官は「まだ戦争を回避できる可能性がある」。2004年のオレンジ革命から二十年近い歳月が流れたが、最大の軍事的緊張状態がさらに深刻化している。

こうした中、フランスのマクロン大統領はプーチンと一時間にわたっての電話会談を行い戦争回避の道を探った。

プーチンは「われわれは戦争を望んでいない。NATOが東方拡大をしないとした約束を守り、NATOは東欧諸国から撤退するべきだ」と語ったという。

すでにウクライナ周辺に十万以上のロシア兵を配置し、黒海艦隊は20隻がウクライナ南部海岸を遊弋している。またロシア軍は武器弾薬、燃料など兵站を拡充させており、後方支援システムもまもなく準備完了の状態とみられる。

肝心のウクライナだが、ゼレンスキー大統領は発足時に73%あった支持率が陥落。昨年12月の世論調査で、支持率25%。民意はNATO加盟、EU加盟のほうが強い。

米大使館職員、家族のキエフからの引き揚げにゼレンスキー大統領は「かえってパニックを煽る」と批判した。米国の演出と踏んでいるようである。

他方、米国の世論は軍事介入に消極的な上、バイデンの無様なアフガニスタンからの撤退ぶりに失望した経緯もあって、その戦争指導力を根底から疑っている。

共和党のなかには「ウクライナは欧州の問題であり、いま米国が同盟国と一緒に取り組むべきは中国の軍事的脅威である」という見解が強く支持されている。