イーロン・マスクの「SPACE X」。中国の宇宙ステーションとニアミス 今頃になって中国はアメリカに厳重注意?!(宮崎正弘国際情勢解題)

アメリカのアントレプレヌール(起業家)たちが立ち上げたのは民間の宇宙ビジネス。その象徴がテスラのイーロン・マスクが率いるSPACE─Xだ。
中国の宇宙ステーション「天宮」とニアミスが起きた。もし、衝突していれば、天宮は宇宙の塵になっていた。
そのニアミスは2021年7月1日と10月21日の二回起きたというのが中国側の発表で、しかも「中国側の遠隔操作で衝突は免れ、大事には至らなかったが、以後、アメリカは「宇宙の安全保障に重大な責任がある」としたのが、中国外交部の記者会見である(12月28日)。
逆さまの言いがかりだが、キラー衛星を実験したのも中国なら、超音速ミサイル実験を宇宙で行い、我が物顔の振る舞いをしている。中国の優位に焦った米国が「宇宙軍」の創設に踏み切ったのはトランプ政権後期である。宇宙の安全を脅かしているのはどちらなのか?
しかし真実を知らされていない中国人にとって、此のニアミスは「米国の陰謀」と受け取られた。中国のネットでやり玉に挙がったのはイーロン・マスクだ。
テスラの中国工場は多くの特典、減免措置が取られ、EVは中国市場で50万台販売された。
「そのテスラが中国に歯向かい、中国の国益を損なおうとしたことは許せない」
「中国人はテスラ・ボイコットを始めよう」
米国メディアはこの問題を殆ど報じておらず、むしろエンジン開発の遅れにより、SPACE─Xは倒産の危機に直面する可能性があるとマスクが語ったことを大きく取り上げている。
しかしはからずもこのニアミスが示唆したことは近未来の宇宙戦争では、民間衛星も敵の宇宙基地を軌道修正で衝突することが可能ということである。
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