あの孫・馬の蜜月はこうして終わりを告げた ソフトバンク、アリババ株式の大半を売却へ(宮崎正弘国際情勢解題)

8月10日、SBG(ソフトバンクグループ)はアリババグループ株式を先渡し売買契約で現物決済すると発表した。これに伴い(第2四半期)決算で関連利益を計上し、税引き前利益に対する影響額は約4兆6000億円に達するという。
現物決済後のソフトバンクアリババ株の保有比率は14・6%と6月末時点の23・7%から低下し、「議決権保有」(20%)を下回る。アリババの営業方針の策定にSBGは参画できなくなる。
ソフトバンクグループの株価は米金利上昇を契機とした世界的なハイテク株下落で、旗艦のビジョン・ファンドの運用成績が急激に悪化し、第1四半期の最終損益が3兆1627億円の赤字となった。
孫正義は2000年に将来のビジョンが描けない段階のアリババに対してぽんと27億円を出資した。14年にアリババがNYに上場すると、その保有株式の含み益などを勘案し、孫は世界のビリオネアの仲間入り。トランプ大統領とも会見し、米国への大々的投資を、馬雲と並んで発表し、意気揚々たる雰囲気があった。
暗転は2019年秋、馬雲の中国共産党への間接批判に習近平が怒り、金融子会社アントの上場が延期された。2020年6月には馬がSBGの取締役を退任し、また孫はアリババ取り締役を降りた。
このSBGのアリババ株売却が意味するのは、孫正義と馬雲の蜜月が終ったことである。
日本企業の中国撤退100社分に相当し、いずれ「中国よ、さようなら」の本格化に先鞭をつけたと評価されることになるだろう。
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