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【宮崎正弘「危機前夜」】 生成AI、チャットGPTに米政財界で懐疑論 〝投資の神様〟が「原爆に匹敵」、グーグル元CEO「ガードレールが早急に必要」

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バイデン米大統領はホワイトハウスで、グーグルのピチャイCEO(写真)らと会談した

ところが、「投資の神様」として知られる米大手投資会社「バークシャー・ハサウェイ」のウォーレン・バフェット会長兼CEOは、同社の年次総会で次のように言い放った。

「(生成AIやチャットGPTなどの)AIは原爆に匹敵するのではないか」

AIへの懐疑を公にしたのだが、メディアはこの発言を無視して、「バフェット氏は、シリコンバレー銀行(SVB)の預金者保護は不可避的だったのであり、もしそうしていなければ事態はもっと深刻となっただろう」と発言した部分だけを強調した。

米IT大手「グーグル」で最高経営責任者(CEO)を務めたエリック・シュミット氏が、これまでの立場を変えて「AIにはガードレールが早急に必要である。1年前には考えもしなかったことが起こっている」と言い出した。つまり、次の経済を牽引(けんいん)すると期待されたAIやチャットGPTなどの新技術に投資筋は懐疑的なのである。

シュミット氏は、元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー氏らと共同で、「AI開発と国家安全保障」を追求し、ガイドラインを制定する委員会を継続してきただけに、姿勢の変化には注目が必要だ。

ホワイトハウスが動き出した。

ジョー・バイデン大統領は5月4日、グーグルのスンダー・ピチャイCEOや、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO、オープンAIのサム・アルトマンCEO、アンスロピックのダリオ・アモデイCEOを呼んで会談した。カマラ・ハリス副大統領も同席した。

ホワイトハウス(ロイター)

アンスロピックは新興企業だが、CEOのアモデイ氏は、グーグル、オープンAIを経て2021年に独立した。

わずか1年前、「メタバースが次の産業を牽引する」と言われた。いま、そんな未来を語る人を見かけなくなった。

AIビジネスの構造的図式は、マイクロソフト陣営にオープンAI社が、グーグル陣営にアンスロピック、アマゾンの協力関係という、二大巨大企業の競合的対決となっている。

1980年代後半からのIT産業革命は、この新技術が伸びて新しい産業分野が広がると確信したクリントン&ゴア政権の追い風となった。だから、2024年大統領選を前に、選挙資金としてもAIビジネスが伸びてほしいと民主党が選挙資金も含めて期待している。

AIへの懐疑論は、米国連邦議会でも超党派で広がった。チャック・シューマー上院院内総務(民主党)も、ケビン・マッカーシー下院議長(共和党)も、議会の審議予定に「AI規制議論」を考えていると答えた。

■宮崎正弘(みやざき・まさひろ) 評論家、ジャーナリスト。1946年、金沢市生まれ。早大中退。「日本学生新聞」編集長、貿易会社社長を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュに定評があり、同時に中国ウォッチャーの第一人者として健筆を振るう。著書に『習近平独裁3・0 中国地獄が世界を襲う』(徳間書店)、『ステルス・ドラゴンの正体』(ワニブックス)、『国際金融危機! 米中メルトダウンの結末』(ビジネス社)など多数。