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『情報亡国の危機 インテリジェンスリテラシーのすすめ』(中西輝政著)

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『情報亡国の危機 インテリジェンスリテラシーのすすめ』(中西輝政著)


4492211918_2「インテリジェンスリテラシー」という言葉をご存知でしょうか。インテリジェンスという分野に対する国民の健全な理解を「インテリジェンスリテラシー」と中西教授は呼んでいます。近年、欧米の先進民主主義国を中心にインテリジェンス問題に関する情報公開や各種の資料公開が画期的に進んでおり、この分野でめざましい学術研究の進歩がみられています。しかし、日本では「二周遅れ」の状況となり、情報亡国の可能性が顕著になっています。

『長年にわたって日本は「スパイ天国」の名をほしいままにしてきました。今や一部の先端技術を除いて、日本にはスパイを使って盗み出すべき重要な秘密はなくなり、代わって日本の政策や世論を自国の都合のよいように動かす対日工作の対象としての「工作天国」になりつつあります。こうして今日、ますます国際政治の草刈場となりつつある日本が、今後もし亡びるようなことがあるとしたら、それは明白な軍事的侵略や経済崩壊によってではなく、本来の国益の追求が不可能になるように仕向けられることによってであろう。つまり、インテリジェンス(情報)の欠如による亡国の姿である』と、このように京都大学の中西輝政教授は著書のなかで述べています。その通りだと思います。

実際、かつて満州事変から支那事変(日中戦争)へと至った展開は、まさに日本にもたらされた悲劇を如実に物語る出来事ではなかったかと思います。その挙げ句、不必要にアメリカとの対立を激化させ、真珠湾攻撃にまで発展してしまいました。なぜ日本はあのような泥沼の戦争に突き進んだのか。近年ようやく、旧陸軍の幹部や右翼団体、その他の中に、中国やソ連の秘密工作網があったことが、公開史料から少しずつわかり始めてきました。日本とアメリカと戦わせていったい誰が利益を得たのか。

今からでも日本はこの「インテリジェンス」について深刻に受け止め、中央情報機関を創設していかなければならないと考えます。かつての日英同盟があったとき、日本は英国の情報機関について多くのことを学びとっていくべきだったと思います。