レアメタル危機、再燃か。ミャンマー武装勢力鉱山を占領 日米の開発は遅れている。輸入先の多角化も遅れている(宮崎正弘国際情勢)
ミャンマーの反政府武装勢力がレアアースの生産基地を武力で掌握した。このため中国は改めてレアアースの輸出制限を強化する可能性がある。市場では最近、価格上昇が続いている。
レアアースはスマホに欠かせない希土類である。くわえてレアアースは電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に不可欠。サプライチェーンの多極化、強靱化が叫ばれているが、日本での推進役だった甘利明議員は落選してしまった。
中国国有のレアアースの大手企業は「中国北方希土(集団)高科技」で年間31000噸の原石(精製前の岩盤)を購入している。内蒙古省パオトウと江西省が中国のレアアース拠点。ただし開発、生成が乱暴なため地下水汚染、奇病の蔓延など様々な問題を引き起こしている。パオトウにはレアアースホテルという三十数階建ての豪華ホテルが建っていて、この町はレアアース景気に沸騰したことがあった。
さて十月中旬に武装反政府勢力がミャンマーの鉱山センターを占拠したため、中国北方希土鉱科技の鉱山事業は事実上停止している。
一方、中国は世界の希土類処理能力の90%を握り、事実上、世界生産の60%を占めている。中国は凡そ17種類の金属酸化物と4,400万トンの鉱床を有し、レアアースでは世界最大の生産国である。
オーストラリア、カザフスタン、ラオス、ベトナムなど他の国々も、中国への依存を避けるため資源開発を急いでいるのだが、鉱山開発プロジェクトは十年かかるのだ。
じつはレアアース最大の埋蔵はアメリカである。
環境保護過激派が、鉱山開発は環境破壊に繋がるとして鉱山開発に反対してきたため、鉱山はながらく閉鎖されたままだった。
テッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出、共和党)らが旗振り役になって開発は前向きになり、政権が変われば開発と国内生産に弾みがかかると予想されている。
日本のレアアース輸入は、中国への依存度が高い。最近、南鳥島沖でレアアース泥の採掘が検討されはじめた。小笠原諸島・南鳥島沖の水深6,000メートルの海底に1,600万トンのレアアース資源埋蔵が確認されており、もし開発が起動に乗れば世界第4位の「レアアース大国」となるなどと喧伝されている。捕らぬ狸かも?
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