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ステーブルコイン法案は連邦議会で審議中断 民主党がトランプ外遊の隙を衝いて、妨害工作を開始した(宮崎正弘国際情勢)

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トランプ政権がめざす暗号資産(仮想通貨)法案が、議会で民主党の妨害工作により審議がとまっている。

5月14日、下院民主党議員団は財務長官に書簡を送り、「マネーロンダリング監視機関にドナルド・トランプ大統領の仮想通貨事業に関連するすべての疑わしい活動報告書(SAR)を提出せよ」と要請した。

法案廃棄が目的で議事進行をストップさせる議会戦術だが、民主党は下院監視・行政・司法委員会のジェラルド・コノリー下院議員(民主党、バージニア州)、ジョー・モレル下院議員(民主党、ニューヨーク州)、ジェイミー・ラスキン下院議員(民主党、メリーランド州)らがベッセント財務長官に宛てた書簡のなかで、「選挙資金法、贈収賄法、証券規制に違反する可能性があり、トランプ大統領のブロックチェーン・プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」とミームコイン「$TRUMP」の緊急調査」を求めた。

「委員会は、連邦職の候補者および連邦職者による資金調達に関連して、選挙資金、消費者保護、贈収賄、証券詐欺、その他の汚職防止法の違反を防ぎ、欺瞞的かつ略奪的な選挙資金調達慣行、連邦職員に対する違法な外国の影響、および将来の連邦職員または現職の連邦職員に関連するその他の金銭上の不正行為を防ぐために、立法が必要か、どうかを判断する」などとした。

トランプ一家が2024年9月にワールド・リバティ・ファイナンシャルを設立したことや、就任式の数日前にミームコイン「$TRUMP」を立ち上げたことは確かにタイミングから判断して適切な商活動とは言えないかも知れない。民主党はこの脆弱なポイントをついたかたちである。

ステーブルコイン法案は別名「GENIUS法」。上院では審議がすすんでいたが、これもトランプ外遊などがあって擬似進行が中断された。ホワイトハウスで暗号通貨を担当するディビット・サックスもトランプの中東訪問に随行している。14日はサウジアラビアにいた。

ステーブルコインは暗号資産の期待があつまっており、ユーザーはドルに直接アクセスすることなく、デジタル資産取引への参加・決済、海外への送金などを行うことができる。

ということはFRBへの挑戦であり既存エスタブリッシュメントの利権を脅かすことになる。

もし米国議会で承認され、ドナルド・トランプ大統領が署名して法律が成立すれば、大手銀行やウォール街の有力企業も参入し、ステーブルコイン市場に参入し数兆ドルもの資金が暗号資産に流入すると予測される。

暗号資産業界のロビー活動部門は、この法案成立に向けて精力的に働きかけてきた。しかし上院では文言をめぐって共和党と民主党の指導部との間で合意に至っていない。