7月18日、米議会はGENIUS法を可決した。米国のステーブルコイン導入促進が本格的となる。この新法は、 ステーブルコイン発行者のための全国的なライセンス制度を創設する。
GENIUS法は、1対1の準備金の義務付け、裏付けのないアルゴリズム・ステーブルコインの禁止、発行者へのマネーロンダリング対策規則をうたっている。とくにドルにペッグされたトークンを発行したい非銀行機関は、「銀行ではなく、独立した組織」となる。
既存の金融機関も浮き足だって対応に追われている。銀行の収入源のひとつ、送金手数料がなくなるからだ。
このような状況下、ウエスタンユニオンがステーブルコインに参入すると発表した。
これは画期的事件である。
ウエスタンユニオンは大手通信企業として知られ、IBMと技術提携して、通信インフラを利用し、国際送金のチャンピオンだった。世界80ヶ国、30万以上のATMが端末で日本でもローソン、スルガ銀行などと提携してきた。とくに日本に出稼ぎにきているフィリピン、インドネシア人らの本国送金で活用された。
その日本支社が2024年に撤退した。
表向きの理由はマネロンと詐欺に悪用されたとしたが、じつは暗号通貨により送金ビジネスが激減したのだ。
ウエスタンユニオンのCEO、デビン・マクグラナハンは「ステーブルコインをビジネスチャンスと捉えている。オンランプ・オフランプサービスやデジタルウォレットの提供に向けて、暗号資産業界の主要企業との提携を模索している」と述べた。
マクグラナハンCEOは、「ステーブルコインを活用できる可能性がある3つの分野をあげ、国境を越えた送金の高速化、法定通貨とステーブルコインの変換、そして不安定な経済における価値の保存手段としての機能だとした。
もうひとつ重要なことがある。
トランプはGENIUSU法成立の署名式で、「中央銀行デジタル通貨(CBDC)は認められない。そのような事態を防ぐための立法措置を講じる」との約束を再確認し、強調していることである。
「私は、アメリカにおける中央銀行デジタル通貨の発行を決して認めないという誓約を、引き続き完全に守り続けます。私は米国におけるCBDCの発行を禁止する大統領令に署名しました(1月23日に)。近いうちに、これを成文化し、恒久的な法律とする法案に署名することを楽しみにしています。なぜなら中央銀行デジタル通貨は、連邦政府に国民のお金の絶対的な支配権を与えることになるからです」
世界の趨勢は49の国が、CBDCの試験運用を行っており、36の国または通貨同盟がCBDCの研究を行っている。137カ国または通貨同盟のうち、ナイジェリア、ジャマイカ、バハマの3カ国がすでにCBDCを導入している。
ところがすでに21の中央銀行は熱意をなくし、2つの中央銀行は中央銀行デジタル通貨導入を中止した。
中国が一番熱心だったのは電子ウォレットを通じて、個人の情報を把握出来ることにある。全体主義体制の国民監視に悪用される懸念は自由の国では受け入れられないということだ。
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