嘗てアメリカ半導体の王者インテルは三期連続で巨額の赤字をだし、前CEOは辞任を余儀なくされ、替わったばかりの新CEO陣立武(タン・リップブ)も業績回復は見られず、年次総会では「改革に乗り遅れた。他社に先を越され、事態に時代についていけるエンジニアに不足した」と業績悪化を認めている。
インテルは起死回生を狙って、アリゾナ州のほかイスラエルにも大工場を建設する青写真を提示した。しかし半導体はいまや生成AIなどの画像処理、1ナノを目指すのが主流となっており、エヌビディア、TSMCなどに追いつけなくなった。
トランプがインテルの人事に容喙した理由は「インテルの業績不振」ではない。それは株主がする要求で、大統領の介入範囲ではない。
トランプ大統領は「インテルのCEOは葛藤を抱えており、直ちに辞任しなければならない。この問題には他に解決策はない」と述べたのだ。ホワイトハウス当局者は、大統領は最先端分野のリーダーたちが国民から信頼されるようにすることに尽力しているとした。
しかし裏舞台で動いたのは対中国強硬派のトム・コットン上院議員(下段書評参照)だった。
トムは大統領に書簡を送り、「インテルCEOの陣立武が、マレーシア生まれの中国人で、過去の中国との関わりが問題だ」とした。陣立武はマレーシアのジョホールでうまれ、シンガポール大学からマサチューセッツ工科大学に学んだ。起業家であり、いくつかの企業を立ち上げた。インテルのCEOに付いたのは2025年5月。
父親はマレーシアの中国語日刊紙「南洋香報」の編集長、母親は教師という家庭環境で育ち、南洋大学で物理学を専攻した。
MITでは原子力工学の理学修士号を取得した。
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