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スペースX、明日上場に世界から三倍の申し込む殺到 つづくアンソロピック、オープンAI上場だが市場にカネはあるのか?(宮崎正弘国際情勢)

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空前の新規株式公開の台風の目はスペースX、少なくとも750億ドルを投資家から掻き集めると予想されている。


だが、いったい資金はどこから来るのか? 6月12日(日本時間13日)、SpaceXが新規株式公開(IPO)。同社は米国証券取引委員会(SEC)に登録届出書を提出し、1兆7500億ドルの時価総額評価と750億ドルの資金調達を目指すとした。これにより4400人のスペースX社員が億万長者となる!


ひき続き、Anthropic(Claude)とOpenAI(ChatGPT)もSECにIPO登録届出書を非公開で提出した。両社は九月から12月までに上場すると予想され、それぞれの評価額は1兆ドルに迫る。急成長中の決済会社StripeもIPOを予定し、評価額は1500億ドルを超える可能性がある。


想定される資金注入はSpaceXだけで750億ドル。OpenAIの600億ドル、Anthropicの150億~200億ドル、Stripeの約100億ドルを加えると、上場予定約1600億~1650億ドルとなる。


市場関係者は、いったい投資資金はどこから来るのか、その結果、トータルな市場は資金が「希薄化」するのか、それとも投資資金のリバランスがおきて「資本吸収」となるのか、見極めようとしている。


「希薄化」とは上場企業が市場で新株を発行し、既存株の価値を希薄化させる状況。つまり、新株を購入しない既存株主は、所有比率が低下する。


今回は追加株式発行(増資)ではなく新規株式公開だから「希薄化」という用語は適切ではない。正確には「資本吸収」である。


資本吸収とは、大規模な新規株式公開によって投資家が既存の保有株を売却したり、手持ち資金を新規発行株の購入に回したりすることで、既存の金融市場から資金が吸い上げられるプロセスを指す。


買い手は新たな資金を投入するのではなく 、既存の市場資本を再循環させるに過ぎない。したがって、IPOは発行される株式自体の希薄化には直結しない。投資可能な資金総額は理論上変わらない。ただし金融市場全体にとっては希薄化要因となりうる。


投資資金は主に3つの源泉から得られる。


第一に内外の機関投資家によるポートフォリオのリバランス。積極的に投資したい大手資産運用会社は、既存のポジションを縮小し、場合によっては手元資金を充当したり、新たな資金を調達したりして、新規保有銘柄のための資金を確保する。個々の運用会社による売却は、売却対象となる株式、債券、その他の資産の種類が多岐にわたるため、市場に大きな影響を与える可能性は低い。機関投資家のポートフォリオで同時に売却が行われると、市場に影響を与えることはある。


韓国でも購入意欲は凄まじく斡旋証券会社はスペースXを組み込んだ投資信託を売りだしたところ、たちまち13億ドルが集まったという(『コリアタイムズ』、6月11日)


第二に個人投資家による株式売却である。個人投資家は、資金を必要とし一部は貯蓄から捻出されるが、ほとんどの機関投資家と同様に、既存の株式を売却して資金を調達するだろう。手持ち銘柄から選んで、新規投資分のために売却するのだ。


第三に株式保有を拡大している政府系ファンド、年金基金、海外機関投資家からの資金は、市場内での資金移動というより金融市場に新たに流入する資金である。こうしたファンドの参加は他の株式や金融資産に与える影響を軽減する。


現在の金融環境を考えると、利用可能な資金が大幅に増加する可能性は低い。FRBは大量の通貨供給を行っていない。そのうえ金利は上昇し、貯蓄率は低下しているが株式市場はバブル絶頂を思わせるほどの高値圏にある。


▼データセンター建築反対の住民運動の背後にチャイナ


市場の見通しに暗雲が漂っている。

AI企業が熱狂するデータセンターが住民の反対運動に遭遇し、建設が大幅に遅れていることと、構築の縮小あるいは撤退である。株下落の引き金を引くとすれば、このことが最大の要因となるだろう。


AIインフラに最大で7850億ドルの設備投資を行うと予測されているが、太平洋を挟んだ中国という不気味な存在が未来図予測で大きな要因となってきた。


スペースXの引受幹事証券は、「中国本土と香港からの注文はすべて拒否するよう指示されている」という。

中国のファンド、富裕層は、史上最大規模の新規株式公開から締め出される。SpaceXは、この決定の理由として米国の国際武器取引規則を挙げており、国家安全保障上の懸念を示している。


中国の市場関係者は「これは、米国による技術交流の過剰な政治化を反映しており、国際資本の正常な流れを阻害している、中国企業は世界トップクラスのイノベーション能力を有しており、中国の科学者は技術革新のほぼすべての分野で重要な役割を果たしている。中国企業と中国資本を排除することは不当であり、長年にわたる国際的な信頼と協力関係を損なうものだ」と批判した。


▼電力が豊富な中国でもデータセンターに凡そ3000億ドルを投下


一方、中国は今後5年間で3000億ドル規模のデータセンターを建設すると豪語している。


国家発展改革委員会は、中国移動や中国電信などの国営企業が運営するデータセンター計画を策定中である。これらのデータセンターはファーウェイを含む国内の半導体サプライヤーに大きく依存し、米国のエヌビディアやAMDを排除する。中国が計画しているデータセンター建設は、AI、電力インフラ、国産半導体、そして国家財政を単一の国家総動員戦略に統合しようとしている。


なにしろ広大な都市収容に関しては問題がない。電力の確保は中国が西側よりはるかに優位である。


また米国における反AIデータセンター運動の背後には、中国共産党の国営メディア、シンガム・ネットワーク、そして外国の億万長者による闇資金がある。中国の戦略は自国のAI開発を加速させるだけでなく、アメリカのAI開発を遅らせ、分断し、政治的に制約することにある。


IPOでも米国を猛追する。合肥は中国の量子コンピュータの巨大ラボを有し、半導体自給自足への挑戦の策定地である。5月27日、上海証券取引所は長金科技集団の新規株式公開(IPO)を承認した。同社は中国のDRAM最大の製造メーカーである。上場に伴い6900億円を調達する計画だ。