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3~5兆ドルの投資、はたして回収可能なのか 大手AI企業に「見えない負債」(宮崎正弘国際情勢)

東アジア歴史文化研究会

米国のAI大手企業の投資予定額が、3兆ドル(約475兆円)も膨れ上がっている。


開発費やデータセンターの建設や電力確保などの「インフラ網の構築」に天文学的資金が注ぎ込まれている。
必要とされる電力とサーバー施設をゼロから作り上げる建設費には水の確保、エンジニア達の住居なども必要である。


ゴールドマン・サックスの試算では、大手4社(メタ、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット)の設備投資は2030年までに5兆ドル(約785兆円)を超える見通し。米国GDPの約10分の1になる。果たして収益を得ることが出来るのか。

「収益化」と「資金回収」には、AI業界全体で年間8兆~10兆ドルの収益を生み出す必要があるからだ。


米国の大手AI企業は決算報告を薔薇色に発表しているが、このバランスシートに計上されない、「見えない負債」がある。

カラクリはSPV(特別目的会社)、わかりやすく言えば中国地方政府が負債を誤魔化した「融資平台」である。構図はAI企業がファンドなどから資金を借り入れて半導体チップを購入し、ユーザー企業との契約から生じるキャッシュフローが担保になる。

もし、企業が支払いを停止した場合、資産を再びリースするか、売却して残りの債務を返済する。不足が生じれば、差額を補償することになる。保障は契約書に謳われている。


エヌビディアやブロードコム のような巨大企業にとって、この遣り方は“フリーランチ”だ。自社のバランスシートに負債を計上することなく、顧客やAI企業への売り上げを押し上げることができるからだ。典型企業がメタ。データセンター撤退を選択した場合のみ、セーフティーネット発動の可能性がある。


リース契約残高はアマゾンが1078億ドル、マイクロソフトが885億ドルとなっている。交渉がすすんでいるのは、アルファベットが8110億ドル、メタ3498億ドル、マイクロソフトが2286億ドル、アマゾンが1301億ドルとなっている


決算報告書にでた長期負債は、
 アマゾン     1322億ドル
 アルファベット  1002
 マイクロソフト   885
 メ タ       837億ドル


これからデータセンター契約予定は
 マイクロソフト  3291億ドル
 メタ       3470
 マイクロソフト  2286
 アマゾン     1392
(数字はいずれもウォールストリート・ジャーナル、2026年8月17日電子版)


誰が見ても、異常な負債の膨らみ、しかも決算報告書には掲載されないのだからAIバブル崩壊を予測する投資家が多いのも当然だろう。


▼中国にも投機ファンドが成熟


意外や意外!
行動にでたのは中国のファンドである。


中国最大のヘッジファンドが米国のハイパースケーラー企業やNVIDIAの保有株を削減し、AIサプライチェーン上のハードウェアメーカーに投資をシフトさせている。


パーセベランス・アセット・マネジメント・インターナショナルは、米国証券取引委員会への報告書によると、前四半期にNvidia株の保有比率を72%削減した。一方で、メモリーチップメーカーのマイクロン・テクノロジーとフラッシュメモリー製品メーカーのサンディスクの保有比率を大幅に引き上げた。


ディープシーク創業者兼CEOの梁文峰は、半導体設計会社「ムーアスレッド」の新規株式公開(IPO)で大きな利益を得た。同社の株価は上海証券取引所での取引開始初日に5倍以上に急騰した。


梁分峰のスタートは株式投資である。それもソフトを組み込んだAI取引で秒速勝負にでて連戦連勝、ディープシーク設立の資金をつくった。彼のヘッジファンド「ハイフライヤー・クオンティタティブ・ファンド」である。


大化けのムーアスレッドは、元NVIDIA幹部が創設したのだ。


AI半導体開発においた「中国のエヌビディア」になることを目指していると、CEOの張建忠は豪語している。かれは06年から2020年までNvidiaの中国総経理を務めた「我々の目標は、国際競争力を持つGPU分野のリーディングカンパニーになることだ」


アップルがCXMT製メモリーチップの調達先として複数の選択肢を検討しているとウォールストリート・ジャーナルが報じ、ラトニック商務長官が反対を表明した。





アップルは、中国人民解放軍との関係が深いため国防総省からブラックリストに載せられているCXNTから半導体購入を検討しているというのだから、相手に塩をおくることになる。