「外国人の政治活動は違法」というデマ 米軍スパイが「南京大虐殺」把握の形跡なし

2017.02.11
アパホテルに抗議する在日中国人のデモ=5日、東京・新宿
アパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に置くことへの抗議デモが、東京・新宿で5日行われ、中華人民共和国(PRC)国籍の在日中国人らが参加した。
ネット上では「デモなど、外国人の政治活動は違法」「逮捕して国外退去にすべきだ」などと書く人を見かける。
もし、米国人である私が、今回のデモ隊の祖国であるPRCで「中国共産党の一党独裁体制を打倒しよう!」とデモをしたら国外退去になるか、刑務所行きだろう。PRCでは外国人に限らず、言論の自由や政治活動の自由が一切ないからだ。
しかし、民主主義国家である日本で、私が「日本国憲法9条2項を削除しよう!」とデモをしても、国外退去や刑務所行きになる心配はない。「外国人だから」という理由で、言論の自由の一部であるデモなどの政治活動の自由を一切認めないなら、その国は民主主義国家とは呼べない。
もっとも、外国人の政治活動の自由にはおのずと限界がある。国際慣習法上、外国人の「入国の自由」は保障されていないからだ。
1978年の「マクリーン事件判決」で最高裁は、在留期間中に外国人が行った政治活動が合憲・合法だったとしても、その活動を理由として在留許可更新を拒否することは合憲だと判断した。
だから、日本に共産党政権が誕生したら、私はビザ更新を拒否されても文句を言えない。そんな日本には住み続ける価値がないから構わないが。
それがなぜかネット上では「外国人の政治活動は違法」というデマにすり替わる。各個人に高度なメディアリテラシー(=メディアの情報を見極める能力)が要求される時代である。
問題の「南京大虐殺」にも触れておこう。
戦後に公開された米国の機密文書を読むと、米軍は日米開戦のかなり前から、中国大陸にスパイ網を持っていた。
日本軍が上海を陥落させた約1カ月後の1937年12月3日、松井石根大将は、上海租界の「南京路」で示威行進を行った。このとき爆弾テロ事件が発生したが、処理にあたった将校らの名前や階級、行動だけでなく、人間関係や発せられた冗談まで米軍は把握していた。日本軍にも米軍のスパイがいたのだろう。
ところが、米政府が約8年の歳月と3000万ドル(約33億円)の費用を使って調査した「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)米国議会あて最終報告」に、米軍が「南京大虐殺」を把握していた形跡はない。
米軍のスパイ網はザルだったのか。「ユネスコ世界記憶遺産」に登録された資料が早く見たい。
■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『いよいよ歴史戦のカラクリを発信する日本人』『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(いずれもPHP研究所)、『日本覚醒』(宝島社)など。
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