ギリシャ債務問題、実はギリシャは過去200年のうち半分近くが破綻状態にあった(経済評論家 渡邉哲也氏)

欧州諸国へ再三の“脅し”救済へ誘導 (経済評論家 渡邉哲也氏)
2015.3.30
ギリシャ債務問題は、同国が具体的な改革案を出すことを条件に、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が4カ月間支援を延長することで合意した。しかし、その後の交渉はうまくいっておらず、ギリシャとドイツなど他国との溝は深まるばかりだ。
実はギリシャは過去200年のうち半分近くが破綻状態にあった。過去にも何度も破綻を繰り返してきただけに、ある意味、このような修羅場の乗り切り方に最もたけている国だと言ってもいいのかもしれない。
ギリシャ債務問題がなぜ再び深刻化したのか。それは脱緊縮財政を掲げて欧州各国に債務の減額や棒引きを認めさせつつ、国有資産売却を凍結し、緊縮財政で解雇された公務員を復職させるなど、とんでもない公約を掲げた急進左派政権が誕生したことに端を発する。当然、欧州の国々はギリシャ新政権の主張を素直に認めるわけもなく、同国は信用悪化により資金調達ができなくなった。
2月の合意後、ギリシャのチプラス首相や閣僚たちは、周辺国との話し合いを行っているが求められている改革には全く応じる気配もなく、とんでもない主張と要求を繰り返している。その一例を紹介しよう。
3月上旬に放映されたドイツ公共放送の番組の中で、ギリシャのバルファキス財務相は、他国はギリシャが債務返済を怠ると認識していたはずだと主張し、「最も破綻した国に史上最大の融資を行うことは、人道に対する犯罪である」とドイツなど貸し手側の国を批判した。
さらに、3月14日には、ギリシャのカメノス国防相がドイツ紙ビルトのインタビューで「もしギリシャが破裂すれば、スペインとイタリアが次だ。そしていずれドイツも破裂する」と警告し「われわれは問題をユーロ圏内で解決すべきだが、ギリシャが負担を払い続けることはできない」と主張した。
その上で、カメノス国防相は、ギリシャは追加の金融支援を必要としていないとし、「1953年のロンドン会議でドイツに認められたような債務の棒引きが要る」と借金棒引きを公然と要求。ギリシャはロシアへの各国による金融制裁でダメージを受けており、欧州連合(EU)からの補償が受けられないのであれば、ロシアへの金融制裁に参加しないとまで言い放ったのだ。
この度重なる発言を受けて、ドイツ国内ではギリシャに対する不満が爆発。ドイツ政権が妥協できる環境にはない。しかし、このままでは3月末には、ギリシャの手元資金が枯渇する。そのため、ギリシャは欧州に対し、12億ユーロの銀行救済基金の拠出金の返金を求めた。しかし、当然の話として、それは却下された。
しかし、欧州も、スペインやイタリアという他国への波及も考えられる。貸し手である銀行の信用不安が発生する可能性もあり、このままギリシャをデフォルトさせるわけにもいかない。そのため、何らかの救済が行われるだろう。ギリシャはこれを理解しているからこそ強気なのである。
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