中国の新高利貸しP2P(宮崎正弘の国際ニュース・早読み)

6月25日
AIIB設立を前に中国の金融機関、最後の悲鳴か?
個人が個人にネットで高利貸し、P2Pの詐欺も出現という末期症状
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中国経済が金融に行き詰まって、銀行は不良債権の噴火を回避するために、理財商品を発売した。融資平台は融資残高が360兆円、理財商品は220兆円前後と見積もられる。いずれもシャドーバンキングの範ちゅうに入る。
金融政策的には預金準備率を過去二年間に数回引き下げ、つぎからつぎへと金融緩和策を講じたが、不良債権の累積は爆発的に増加した。債務不履行、企業倒産、ゴーストタウンからゴーストシティ化がすすむ一方で、最後の博打場は株式市場への乱入となった。
上海株式は二年で三倍となり、そして大暴落が開始された。ピークの5100から、早くも15%程度の下落(6月24日現在)、インサイダー取引で濡れ手に粟のプロは売り逃げ、最後のババを引くのはいつものように素人の投資家、善良な預金者である。
ついに国務院所管の保険会社から資金をあつめ、「中国保険投資基金」(資金は6兆円規模)を設立し、インフラ建設の資金需要に回すほか、商業銀行法を改正して「預金残高の75%以内」と決められていた融資枠の「残高比率」を撤廃するという。こうなるとなりふり構わぬ絶望の処方、最後の悲鳴にちかいのではないのか。
そしてP2Pの登場である。銀行が相手にしない、中小零細企業や大学生にたやすく金を貸すのが「サラ金」「街金」と言われる高利貸しだが、ネット時代ともなると、SNSをふんだんに駆使した新型の金融業が登場した。
日本で言えば「サラ金」(高利貸し)業務をネットを通じて気軽に行い、しかも仲介業者が高利を謳って投資家から巨額を集め、ドロンする。これが「P2P」の実態である。中国語で「人人貸」だが、分かりやすい日本語にすれば「ネット上の個人営業の高利貸し」だ。
▲リスクを考えないで投機する人たち
嚆矢は2006年、北京の金融総合企業「宣信」(CREDITEASE)が初めて適用し、以後雨後の竹の子の如くに類似業者が参入した。
P2P(Peer to Peer)業者は2014年8月時点の統計で1357社、貸出規模は2500億元(5兆円)規模以上に膨らんでいると推計されている。
もともとネット上での消費者金融的なビジネスは「アリババ」が開始し、そのアリババ傘下の「招財宝」の成功をみて、右へ倣えとばかり、IT企業系の「捜益貸」、上場企業の系列会社では「友金所」、銀行系の「小企業e家」、保険企業系列の「陸近所」などと百花繚乱のごとく、このブームにつけ込んで詐欺師らがP2Pに参入してきたから、錯乱状況がうまれた。
平凡な主婦や小金持ち、老人から資金をつのり、高利で回転するとして、金だけをあつめてドロンするという手口。ま、日本にもよくある犯行だが、詐欺の本場=中国での規模はもっと凄い。金融機関、最後の断末魔が聞こえてくる。
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