東アジア歴史文化研究会のブログ

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英空母が初参戦 今夏日本近海に集結、自衛隊と共同訓練 民主主義諸国が“暴れ龍”中国包囲網 「世界戦略の中心がインド太平洋へ」英政府(日本を守る)

東アジア歴史文化研究会

2021.4.28
日米仏共同訓練を実施した(左から)米海軍駆逐艦「カーティス・ウィルバー」、海上自衛隊補給艦「はまな」、仏海軍フリゲート艦「プレリアル」(海上自衛隊提供)

中国海軍初となる強襲揚陸艦「海南」の就役式が23日、習近平国家主席が出席して海南省三亜(海南島)の軍港で行われた。東・南シナ海での軍事的覇権拡大、強襲上陸作戦を見据えた装備で、台湾や沖縄県・尖閣諸島の危機は高まったといえる。これに対し、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」に加え、英国やEU(欧州連合)などが、「中国共産党政権の暴走」を阻止する構えを見せており、今年夏、英最新鋭空母「クイーン・エリザベス」など、欧米の海軍艦船が日本近海に集結する。外交評論家の加瀬英明氏が、自由主義陣営の覚悟に迫った。


日本のすぐ近くまで、「戦争の足音」が迫っている。緊張が増しており、刻々と平和が脅かされている。

今年7月、英海軍の最新鋭空母「クイーン・エリザベス」(排水量約6万5000トン、全長約280メートル)を中核とする空母打撃群が、オランダのフリゲート艦などとともに、南シナ海を抜けて長崎県・佐世保港に入る。

英国の空母打撃群が戦闘体系をとって極東の海に姿を現すのは、1953年に休戦となった朝鮮戦争以来のことだ。68年ぶりだ。

「クイーン・エリザベス」は、英海軍や米海兵隊が運用する短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機「F35B」を搭載している。太平洋で海上自衛隊と合同訓練を行うことが予定されている。

英国政府は4月に「統合安全保障指針」を発表したが、世界戦略の中心が、日本に至るインド太平洋地域へ移ったと述べている。

海自の補給艦「はまな」が2月、米海軍駆逐艦「カーティス・ウィルバー」と、フランス海軍のフリゲート艦「プレリアル」と、九州西方の海域で共同訓練を行った。その写真が公表されている。この夏には、ドイツとベルギーも、海軍艦船を日本近海に派遣する。

日本はいまから80年前、追い詰められて、ハワイの真珠湾を攻撃することによって、対米英蘭(オランダ)戦争に突入した。「ABCD包囲網」によって石油、鉄鉱石などの供給を絶たれたからだった。開戦前から、日本の新聞に「ABCD包囲網」という言葉がさかんに踊っていた。Aはアメリカ(米)、Bはブリテン(英)、Cはチャイナ(中国)、Dは(ダッチ=オランダ)だった。

習主席の中国が、周りに人がいないように独り勝手に振る舞うのを受けて、ジョー・バイデン大統領の米国、ヨーロッパをはじめとする民主主義諸国の堪忍袋の緒(お)が切れて、中国を押さえ込むために結束するようになった。

いまや、A(米国とオーストラリア)、B(英国とベルギー)、C(カナダ)、D(オランダ)、F(フランス)、G(ドイツ)、I(インド)、J(ジャパン)の「ABCDFGIJ包囲網」が、“暴れ龍”の中国を、檻(おり)の中に閉じ込めようとしている。

中国が沖縄県・尖閣諸島を襲うかもしれない。英政府の「指針」は、日本を「最も緊密な戦略パートナー」と呼んでいるが、日本にそれだけの緊張感があるのだろうか?

習主席は、どうするだろうか?


■加瀬英明(かせ・ひであき) 外交評論家。1936年、東京都生まれ。慶應義塾大学に学び、エール大学、コロンビア大学に留学。「ブリタニカ百科事典」初代編集長。福田赳夫内閣、中曽根康弘内閣の首相特別顧問を務める。松下政経塾相談役など歴任。著書・共著に『米陸軍日本語学校』(ちくま学芸文庫)、『新しいナショナリズムの時代がやってきた!』(勉誠出版)など多数。