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カザフスタンのカリム・マシモフ情報治安トップ(元首相)を逮捕 暴動の背後にあって「裏切り」、中国と強固な絆(宮崎正弘国際情勢解題)

東アジア歴史文化研究会

164名の死者を出して5000名が拘束されたカザフスタン暴動。

ロシアから治安部隊が投入され、騒ぎは沈静化した。中国の習近平主席は、治安回復の強硬路線を支持するとした。

この暴動の背後に何があったのか?

1月12日、トカエフ大統領は治安と情報工作のトップであり「元首相のカリム・マシモフを拘束した。暴動は訓練された工作員が仕掛けた。国家反逆罪の容疑だ」と発表した。逮捕から三日後だった。

このニュースは衝撃的である。あたかも暴動の背後に、治安の責任者がいて外国とグルになっていたと示唆しているからだ。

マシモフはソ連時代から貿易実務に長け、USSRとなった1991年に中国へ通商貿易ミッションが派遣されたときの顧問格。以後通商・貿易・運輸交渉で主要な役割を果たし北京外国語大学、武漢大学で中国語をマスターし、この時期に「ハリク銀行」を立ち上げた。カザフスタンの運輸大臣時代には鉄道を中国から欧州へ繋ぐ路線強化で交渉の中心にいた。

カザフスタンの金融を担うハリク銀行は、カザフスタン最大の銀行で、ナゼルバエフ前大統領の娘と息子が経営している。国民からは疑惑の目でみられていた。

また中国とのSCO(上海協力機構)に署名しテロリズム対策の責任者となって情報治安部門を統括する一方で中国主導の一帯一路プロジェクト推進では中心人物だったとされる。

たびたびの訪中では李克強首相とも仲が深いと言われた。

マシモフは2001年から副首相、2007年~12年、2014年~16年と二回、首相を務め、ナゼルバエフ前大統領に次ぐナンバーツーの地位にあった。カザフスタンの権力抗争がからみ、政治の主導権争いから邪魔者が除かれたのだろうと推察される。

とはいえ、真相は薮の中、暴動直後の対応とみていると、ロシアと中国は何か別の情報を握っているのだろう。