東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう

【山下裕貴 目覚めよ日本】中国は本当に侵攻するのか…台湾と日本の「防衛交流」の重要性 元参謀総長「非公式でも当局間の接触を進めるべき」

東アジア歴史文化研究会
中国の国産空母「山東」の艦首から飛び立つJ15戦闘機(防衛省統合幕僚監部提供)

その質問に対して、私は「イエス」と答えている。さまざまな見方があるが、それほど遠くない時期との認識は米軍幹部・専門家に共通する。

2021年3月、当時の米インド太平洋軍、フィリップ・デービッドソン司令官が上院公聴会で、「今後6年以内に中国が台湾に侵攻する可能性がある」と発言した。

今年2月には、米CIA(中央情報局)のウィリアム・バーンズ長官が「習近平国家主席が、27年までに台湾侵攻の準備を完了するように、指令したとの情報を得ている」と驚くべき情報を口にしている。米国は、中国の政権中枢に通じる重要な情報源を危険にさらしてまで、中国の侵攻の動きを牽制(けんせい)した。事態はそれほどまで切迫している。

今まで米国は台湾に関して、軍事介入するともしないとも言わずに、いわゆる「あいまい戦略」を取ってきた。それは「軍事介入する」と言い切れば台湾が独立の動きに出る可能性があり中国の台湾侵攻の口実を与える。逆に「軍事介入しない」と言えば中国が侵攻するからである。

しかし、ジョー・バイデン米大統領は台湾を確実に防衛すると発言している。台湾防衛に関して従来のスタンスからより強く示したのは、米国政府が危機感を持っているからである。米国は軍事介入の前提が、日本の参戦であると考えているだろう。

台湾の蔡英文政権で参謀総長を務めた李喜明氏は「米台間には、共通の指揮・通信体制も作戦計画もない。このため『台湾有事』の際、米国と台湾が共同作戦を行うことは難しい」と産経新聞の取材で述べている。

もちろん国交のない日本も当然のことながら台湾との共同作戦は行えない。台湾は日米と同じ、「自由民主主義」や「法治」「人権」といった価値観を共有し、経済的にも深いつながりのある「親日国」である。

李元参謀総長は「日本は『台湾有事』において枢要な役割を担う。しかし、台湾を助けてくれるとは思わない。介入した米軍を日本が支援する場合に、台湾の防衛戦略を知り準備することが日本の国益となる。非公式でも防衛当局間の接触を進めるべきだ」と述べている。

「日本防衛有事」の際、米国とともに台湾との協力が実現できれば、効果的な防衛作戦が遂行できるだろう。

新たな「国家安全保障戦略」に基づき、台湾との防衛交流を開始する時期ではないだろうか。