東アジア歴史文化研究会のブログ

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世界に激震をもたらした「パナマ文書」(宮崎正弘国際ニュース早読み)

東アジア歴史文化研究会
「パナマ文書」は隠し財産の一端か、暴露は謀略か?
アイスランド首相が、たちまち辞任に追い込まれた


奇怪な事件ではないのか。タックスヘブンの「名所」として知られるパナマの法律事務所が入手した「税金逃れの世界の有名人リスト」は世界のジャーナリストらの検証を経て、南ドイツ新聞が最初にすっぱ抜くや、各国の反応がまるでちぐはぐ、しかし48時間も経過しないうちに、アイスランドの首都レイキャビクでは「数千人のデモ、抗議集会」が開催され、首相が辞任に追い込まれた。

ロシアのメディアは謀略の臭いがするとし、「暗殺リスト」と言った。「そもそも、アメリカの有名人が一人もリストアップされていないのは面妖ではないのか」と分析している(英文プラウダ、4月6日)。プーチンも名指しされているが、ロシアの報道機関は無視するか「謀略のたぐい」としている。

中国は習近平の実姉の夫、トウ家貴の名前がリストにあるが、一切報道せず、ネットにあがる情報を瞬時に削除する対応を取っている。面白いのは香港で、習近平のことは無視して、俳優ジャッキー・チェンの名前があることを大きく報道している。

パナマは「独立国」とはいえ、米国の保護領的な存在であり、そもそも、この国はコロンビアに属したのに、米国が戦争を仕掛けて、コロンビアから独立分離させ、強引にパナマ運河の運営権を獲得した。以後、保護領同然、しかも嘗てアメリカに逆らったノリエガ将軍の隠れ家を米軍特殊部隊が急襲して逮捕したが、ヘリコプターでノリエガを米国へ運んで起訴した。

主権侵害である。パナマはやっぱり「独立国家」とは言い難い。そのパナマのタックスヘブンを利用した世界の富豪は、アメリカ人富豪の真似をしていただけのことではないのか?

中南海に激震、表面上は何食わぬ顔をしているが、「パナマ文書」がじわりと高層部を揺らしている

世界に激震をもたらした「パナマ文書」。もっとも深刻な動揺を運んだのは北京の中南海の面々だろう。国内の反対派が、これを材料に習執行部を批判する爆弾にもなりうる可能性を秘めているからだ。

華字紙のつたえた「疑惑人物」は以下の通り。
 
習近平の実姉の夫、トウ家貴
劉雲山の孫娘  賈麗青
張高麗の女婿  李経泌
(以上三人は現職政治局常務委員関連家族)

李鵬元首相の娘 李小琳
賈慶林の孫娘  李紫丹
曽慶紅の実弟  曽慶准
胡耀邦の三女の子 胡徳華
(これら四人は元政治局常務委員)

この事件の複雑で面妖な点は昨日付け小誌でも書いたが、米国の富豪の名前がない。パナマの一法律事務所が、これほどのリストを入手できたとは考えにくい。背後にCIA、NSAのモニター記録からの意図的なリークがあるのではないか、ということである。

ただし、いずれにしても、このパナマ文書が、直ちに北京の政局を揺らし、習近平批判への起爆剤となるというのは考えにくいシナリオである。