東アジア歴史文化研究会のブログ

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安保法案、反対は中韓だけ…政権支持率低下の要因は自民党にある (嘉悦大教授、高橋洋一)

東アジア歴史文化研究会
2015.07.31

報道各社の世論調査で安倍晋三政権の支持率が低下し、不支持率が上回る結果となっている。今後もその傾向の場合、政権運営にどのような影響が出てくるのだろうか。

安倍政権にとって、安全保障関連法案で、支持率が低下するのは織り込み済みだろう。国政選挙は来年7月まで予定されていないので、当面支持率の低下を気にする必要はないからだ。ただし、政権支持率低下で注意すべきは、自民党内から足を引っ張る者が出てくることだ。

この観点から、今年9月の自民党総裁選の前後に政治的な混乱が懸念される。2012年12月の衆院選、13年7月の参院選、14年12月の衆院選でいずれも安倍政権は圧勝している。通常であれば、昨年12月の衆院選の勝利の段階で、今年9月の総裁選は、無投票で安倍首相(党総裁)の続投で決まりである。

表向き9月27日まで国会が延長されたので、国会対策上、無用な混乱を防ぐために、安倍首相の無投票再選ということなっているが、政治の世界では権力闘争常在で一寸先は闇だ。

支持率低下の要因は、安全保障関連法案である。しかし、集団的自衛権の行使は(1)戦争のリスク減少(2)安全保障コスト減少(3)個別的自衛権より抑制的-であり、世界の常識だ。

今国会に出ている安全保障関連法案について、世界中の国で反対しているのは、中国と韓国だけだ。ここ1、2年では米国、カナダ、英国、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、ミャンマー、インドなどの国のほか、欧州連合(EU)、東南アジア諸国連合(ASEAN)も賛同のコメントを出している。

こうした事実はあまり国民に知られていない。安全保障関連法案で意見を発信するのは事実上、安倍首相だけだからだ。他の自民党議員は、一部の人を除いて、有力な発信源になっていない。場違いな憲法学者に意見を言わせたり、言論弾圧ともとれる発言をする「残念な」取り巻きもいる。

その一方で、「集団的自衛権を行使すると徴兵制になる」など、事実ではないプロパガンダもある。近代戦では素人は足手まといになることもあり、ほとんどの先進国では徴兵制などすでにない。逆に集団的自衛権を行使しないスイスで見られるぐらいだ。

「経済的な徴兵制」といって、自衛隊が経済的に恵まれない若者を有利な条件で採用する仕組みが最近創設されたような誤解を与えるプロパガンダもある。しかし、これは過去から行われてきたことにすぎない。左派マスコミが事実を伝えないので、国民の多くは世界の常識、真実を知らされず、悪質なプロパガンダに乗せられてしまっている。

自民党内の組織的な取り組みの欠如が、支持率低下の原因かつ結果である。もたもたしていると経済政策までおかしくなり、株価への悪影響もありえる。最悪、支持率低下は加速する恐れもある。

(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)