ロシアが失ったものは西側との友好関係である。中国とは蜜月の演技を競いながらも、お互いに不信感が増大している。そしてアルメニアの飛び地ナゴルノカラバフを守り切れずアゼルバイジャンが奪回した。ロシアは傍観するのみで、エレバン(アルメニア政府)はプーチンを見限った。
シリアのアサド体制はあっと叫ぶまもなく崩れた。
曾てのソ連邦だった14の国はロシアとは距離を置いて、ジョージア、モルドバはNATO入りを目標として民主化に動き出した。ロシアはSNSを使って、選挙に介入したが、親露派政権は評判が悪い。
ロシア軍が劣勢に陥れば、ルカシェンコのベラルーシとて、いつまでプーチンを頼るか、かなり不透明である。いまのところロシアの友人はルカシェンコと金正恩くらいだろう。
中央アジアに目を転ずると、ロシアと友好関係にあるのはモスクワから遠いタジキスタンくらいで、ウズベキスタン、カザフスタン、キリギスはロシアとの友好を保ちながらも、バランサーとして中国の進出を歓迎している。
謎の国、トルクメニスタンを除いて、曾てソ連邦だった中央アジアはロシア、中国の均衡を軸に、習近平の進める一帯一路に協力してきた。
カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は電話会談で、ドナルド・トランプ次期米大統領に耳打ちした。その会話の内容を『アナ・ティリ』紙とのインタビューで明らかにした。
「ロシアは戦場で負けることはないが、ウクライナは西側諸国の『生命維持装置で生き残ること』を望んでいる」とトランプが言ったとか。
カザフスタン大統領は、戦争終結は「紛争諸国の首脳の意志と希望、そしてもちろん世界大国の指導者であるトランプ大統領自身の意志と希望にかかっている」と付け加えたという。
カザフスタン政府は多面的外交政策を実践しており、ロシアとの戦略的パートナーシップと同盟関係の構築に取り組んできた。ナゼルバエフ前大統領の基本方針をトカエフは踏襲している。トカエフは「プーチン大統領を「カザフスタンの特殊性を理解している『経験豊富な政治家』だ」と評している。
トカエフ大統領は2024年に開催され、プーチンも出席した「アスタナ・シンクタンクフォーラム」の席で、ショルツ独首相と見解を共有したと述べた。「ロシアは軍事的に無敵だ。これはロシアの軍事力、プーチン大統領の政策に対する国民の支持、そして歴史そのものによって裏付けられた事実だ」という共通認識である。
こうした発言から類推できるのは、停戦が近いという雰囲気である。
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