2008年、民政移管によってギャネンドラ国王は隠居生活に入り、近年はシンガポールあたりで静かに暮らしていた。この間、政情不安が倍加して、王政復古派がネパールに増えていた。
王制を倒した反政府運動も、所詮は外国の傀儡であり、初代コイララ政権以後、マオイストが中国の支援を得て政権を掌握し、ネパール国内は大混乱に陥った。
筆者が最初にネパールへ行ったのは1972年、まだ専制的な君主が健在で、王宮のまわりは静かで美しく、そういえばクルマの洪水はなかった。ポカラへは18人乗りのDC9型で、ガイドは定員オーバー、機内で立っていた。そんな時代だった。
国王不在となってから政権は13回もかわり、政情不安、治安悪化、観光客激減、インフレと経済低迷、海外への出稼ぎで若者の多くが不在となった。ちかくのコンビニ店員がネパールからの留学生というのも日常の風景。
8年ほどまえに筆者は、息子がポカラからカトマンズまでトレッキングに挑むというので一緒に行った。ホテルの周りがスポーツ用品、登山グッズの専門店などが犇めいていたのには驚かされたうえ、日本料理の看板がでたレストランの客は中国人ばかりだった。
土産屋も増え、中国語が流通し、ダライラマの仏教画(タンカ)を売っていた。中国人観光客は誰かわからないまま購入していた。
2205年3月13日、カトマンズの国際空港にギャネンドラ元国王が帰国したところ、一万以上のカトマンズ市民が歓迎の出迎えに赴き、君主制復活への政治的雰囲気が漂ってという。
しかし君主制復活というシナリオの実現性は現時点では薄い。
カンボジアはしずかに君主制が継続されており、王宮に国王一族が暮らしている。政治には関与しないのでシアヌーク時代とはまったく政治的雰囲気がことなる。フンセン首相が、25回も訪日しており、顔なじみだから、カンボジアはフンセン独裁国家と誤解しがちであるが、依然として王政なのである。
タイでは先代国王が不在となってもなんらの支障なく現国王に世襲された。タクシン元首相は長い亡命生活を切り上げて帰国し、その娘が現在タイの首相である。タクシンの妹インラック元首相も、ドバイあたりから帰国の準備をしているという。
さて政変でインドへ亡命したハシナ前首相も、その後バングラデシュの混迷により、ダッカへの帰国を準備しているとの報道がある(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、25年3月13日)。
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