【日本を守る】(5)自衛隊の精強度を高めよ(加瀬英明)
安保法制について、新聞の世論調査をみると、読売から朝日、毎日、日経まで「反対」が50から60%以上、「支持」になると20から30%で、産経だけが58%だ。
安倍内閣の世論調査の支持率も、安保法制のために、「不支持」が50%を上回るようになっている。
これは、日本国民がアメリカによる保護を天与のものだと錯覚して、国家にとって何より大事な防衛問題について、関心がいかに薄いか、示している。世界のなかで、このような国は他にない。
安保法制を、強化しなければならない。
だが、いくら法律を整備しても、肝心の自衛隊が頼りにならなかったら、安保法制をめぐって空ら騒ぎしていることになる。
政治家も国民も自衛隊の実態に、目を向けることがない。
まず自衛隊は、あまりにも高齢化している。陸海空3自衛隊の平均年齢は35歳、幹部が42歳だ。幹部は将校のことだが、軍を自衛隊と呼んでいるのと同じことだ。
軍隊の精強度は、平均年齢で計られる。韓国軍、台湾軍、アメリカ陸軍、海兵隊の平均年齢は、23、4歳だ。
自衛隊は優秀な隊員が多いものの、残念だが頼りにならないと思う。
11年前に、イラクに陸上自衛隊が派遣された時にテレビで見たが、そろって中年男性だった。
陸軍となると、戦場を重い装備をもって、駆けまわらなければならない。
「携帯円匙」(えんび)というと、シャベルを使って、「個人用掩体」(タコツボ)を掘らなければならないが、地質が柔らかくても、伏せた姿勢で1人用の掩体を掘るのに、1時間半はかかる。
普通科(歩兵のこと)中隊は230人ほどだが、尉官の定年が54歳なので、定年前の1尉(大尉)の中隊長が多い。
若者が自衛隊に魅力を感じないのも、なぜだろうか。
どの国でも、軍人は名誉ある仕事であるのに、日本ではそうではない。それに、自衛隊は警察官、消防官より手当が少ないので、待遇に大きな差がある。
陸上自衛隊の予備自衛官は、僅か45000人だ。45000人では、まったく足りない。そのうえ、予備自衛官はもっと高齢化が、進んでいる。
アメリカも志願制度だが、除隊後は義務として予備役に編入される。
国民が防衛問題を日蔭に置いてきたために、自衛隊には欠陥が多すぎる。安保関連法案が成立したら、みんなで自衛隊に目を向けたい。
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