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マティス国防長官が2月に辞任へ これほど人事が入れ替わり立ち替わり、落ち着きのない政権はなかった(宮崎正弘国際ニュース早読み)

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トランプ政権のなかで、国防長官のポストは重大である。史上空前の国防予算、宇宙軍の創設と、中国との本格的な軍事対峙。他方でシリアから撤退し、NATO前衛のバルト三国やポーランドへは増派した。

国防政策の中枢を担う国防長官は「マッドドッグ」と言われたマティスだが、ついに大統領の独断専行にはついて行けなくなった。

マティスの辞任は嘗てのティラーソン国務、セッションズ法務、ヘイリー国連大使などの辞任とは同じではない。前者三名のポストは幾らでも代わりが居る。しかしマティスに取って代わる役目を担える人材はそうざらにはいないだろう。

トランプは自分の意見が通りやすい人物を選考基準としているが、国家安全保障の最終決定権だけは、ほかの閣僚のように安易な選択というわけにはいかないのである。

政権発足時、ホワイトハウス入りした三人の軍人が約束をしたという。「どんなことがあっても、この三人の誰かが最後まで、政権に残らないと行けない」と誓い合った。しかし真っ先にやめたのはマクマスター国家安全保障担当補佐官、つぎにジョン・ケリー首席補佐官。いずれもホワイトハウスにあって大統領に助言する甚大な影響力を保持するポストだ。

したがって唯一残ったマティスが国防長官をやめるとなると、政権の先行きに重しが取れる。軍人OBであるからこそ、重層的で慎重な判断が出来るからだ。なぜなら軍人ほど戦争をのぞまず、また同時にもし命令がでたら、徹底的に完遂する義務を負う役目を担うのである。

マティスはトランプがアフガニスタンから撤退すると言い出したときに反対し、逆に増派を認めさせた。

ところが「宇宙軍」の創設に関してはマティスに相談がなかった。20日のシリアからの撤退については寝耳に水だった。いま米軍がシリアから撤退すれば、クルドは後ろ盾を失いトルコのクルド弾圧作戦と、潜伏中のISが復活する。シリアはアサド体制が磐石となり、米国の支援してきたスンニ派の武装組織も危険に晒される。プーチンの高笑いが聞こえる。だからマティスは反対してきたのだ。

トランプ大統領は軍事専門家の貴重なアドバイスや意見を軽視して、自己の「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」の実現を急ぐ余り、拙速に陥ったのではないのか。