東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう

異形の国に対峙する要諦とは 識者が語る中国の「軍事」と「経済」のいま(東シナ海・南シナ海フォーラム)

東アジア歴史文化研究会

2015.11.23

シンポジウムには、いま最も注目の論客4人が登場した


中国の南シナ海をはじめとする領土的野心と、それに対峙するベトナム、そして日本の取るべき道について考える「東シナ海・南シナ海フォーラム」(夕刊フジ後援)が11日、東京・東池袋の豊島公会堂で開かれた。第1部はジャーナリストの櫻井よしこ氏による基調講演。第2部は櫻井氏と静岡県立大学特任教授の小川和久氏、評論家の宮崎正弘氏、東海大学教授の山田吉彦氏の4人によるシンポジウムが行われ、会場は約800人の聴衆で満席となった。


山田「進行を務めます東海大の山田です。南シナ海の安全を守ることが、日本にとってどれだけ重要なのかについてですが、アジアの国の中には南シナ海を通らなければ日本と貿易できない国がたくさんあります。その海に中国は人工島を作っている。同時に環境も破壊しています。その展開を(東シナ海では)どのように抑えられるのか、まずは軍事問題に詳しい小川先生のご報告を聞きたいと思います」

小川「実は東シナ海における中国は極めて抑制的で、日米とぶつからないように動いています。衝突したら、中国に進出している国際資本が逃げ出し、経済を直撃する可能性があるからです。しかし、中国共産党や政府や軍は、日本に弱腰だと思われると、そこから人民に不満をぶつけられてしまう。だから常に弱腰ではないとニュースになる動きをする。そんな中国を抑止していくためには、われわれは日米同盟の一層の強化やASEAN諸国との連携を図らなければいけないでしょう」

山田「中国経済に翳りというお話が出ました。そのあたりを宮崎先生から詳しくうかがいたいと思います」

宮崎「簡単に、どれだけ中国経済が失速しているかを申し上げます。まず、GDP(国内総生産)は水増しです。外貨準備高も先月末で3兆5600億ドル(約439兆円)と自慢していますが、景気が悪くなって、ごまかせなくなった。ただ、中国がいきなり崩壊すると大変です。戦争の危険性があるということと、もうひとつの問題は中国からの難民です。どんどん危機は迫っていると思います」

山田「たしかに、中国が隠していることはたくさんありますね。お2人のお話を櫻井さん的に解説していただくといかがでしょうか」

櫻井「中国に対して日本がどういう戦略を持つかということについて参考になるのは、マイケル・ピルズベリーという人が書いた『100年マラソン』という本です。中国は1949年の建国時から100年目の2049年までに中華大帝国を打ち立てることを大目標にやってきたと書かれています。そのために、中国はいかなる嘘をついても日本を騙して協力させようとするでしょう。私の言わんとすることはただひとつ。中国を信頼してはならないということです」

山田「強烈な、正しいメッセージですね。中国の虚構ということでは、本当の軍事力はどういうものなのか、小川先生にお聞きします」

小川「個別に見ると、脅威になりそうな感じがするのですが、近代的な兵器を使おうとすればするほどシステムが重要になる。例えばアメリカは、データ中継用の衛星を30個以上打ち上げて強大な軍事力を機能させていますが、中国は3個目をやっと上げただけ。つまり、軍事力は正常に機能しない。ただ、これで油断してはダメです。中国は侮りがたい存在になっていることをきちんと直視して水をあけ続けること。それが日本に求められる道です」

山田「沖縄の問題はいかがでしょうか」

小川「それは、われわれが日米同盟をちゃんと理解していれば解決できる問題です。アメリカにとって日本列島は2つとない戦略的根拠地です。アメリカは世界のリーダーでいるために日本列島がないと困る。だから、日米同盟に関係なく、日本列島に手を出せば反撃します。日本は日米同盟をきちんと機能させればよいのですが、アメリカの見方はちょっと違うことを理解すべきです」

山田「では、中国の動きについて、宮崎先生にお聞きします」

宮崎「その前にひとつ、(会場に写真展示している)ベトナムの話をしましょう。私は、ベトナムにはすごい可能性があると思います。人口は9000万人ですが、20歳以下の人がものすごく多く、中国人のように怠けず勤勉。そして地政学上、非常に良い位置にいます。アメリカとこれから本格的な関係が始まると、非常に緩慢ながらも民主化に向かうのではないかと思います。中国については、嘘つきだということはみなさんご承知の通りです。その中国が次につくのは、IMF(国際通貨基金)の国際準備資産であるSDR(特別引出権)に人民元を入れるための嘘です。しかし、SDR入りすると中国は変動相場制になり、いまの高い人民元は維持できません。その結果、想定外のことが起きるだろうと申し上げておきたい」

山田「では櫻井さん、本日のまとめをお願いします」

櫻井「ベトナムも例外ではないですが、アジアに行くと日本は非常に尊敬されています。中国は一時期、無限の可能性を持っているように見られていましたが、さっきも話が出たように中国の統計は誰も信じなくなっています。中国の経済力に引かれているドイツもイギリスも、実態を知る日がくるだろうと思います。その日に備えて、日本は実力を強くすることです。経済をきちんと成長させることと、1日も早く自衛隊を国軍にすること。中国に絶対に侮られない国づくりをすることが、日本とアジア、世界のためになる。これが私の変わらない信念です」