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米大統領選、トランプ氏大逆転の秘策は中国の“資金工作”と暴露 ポンペオ氏はシンクタンクに情報開示要求 中国の米中枢への侵食暴き「親中派」バイデン氏を攻撃する狙いか (激突!米大統領選)

東アジア歴史文化研究会

2020.10.15


トランプ大統領は、反撃の狼煙を上げたのか

米大統領選(11月3日投開票)の世論調査で、現職のドナルド・トランプ大統領(74)は、民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)に10ポイント前後の大差を付けられている。ただ、不動産事業の失敗からも、不死鳥のごとく甦(よみがえ)ったトランプ氏は、奇跡の大逆転を狙っている。こうしたなか、マイク・ポンペオ国務長官が13日、米国の外交政策に関わるシンクタンクなどに対し、中国共産党政権をはじめ、外国政府による資金提供をウェブサイトで開示するよう求める声明を発表した。これは、反撃開始の狼煙(のろし)ではないのか。

 

「外交政策を遂行するうえでのシンクタンクの役割は、外国資金に関する透明性をこれまで以上に重要にしている」

ポンペオ氏は、こう強調した。

注目の声明で、研究機関に対する「中国やロシアなど一部の外国政府」による影響力拡大の試みに注意を呼び掛け、外国の国営企業などからの資金提供も対象にしている。

「シンクタンク大国」とも呼ばれる米国では、民間の研究機関の提言が政府の政策決定に絶大な影響力を持つ場合も多い。ただ、過去には背後に外国勢力の影が見え隠れしたため、問題視されたこともある。

米議会の米中経済安保調査委員会は2018年8月、中国共産党の外国でのプロパガンダ工作を担う中央統一戦線工作部(統戦部)が、ワシントンにある外交政策研究で著名な研究機関に対し、資金を提供していたとする報告書を発表した。

著名な研究機関は、初代香港行政長官が運営する非営利団体から寄付研究講座などの資金提供を受けていたという。初代長官は、統戦部に近い諮問機関、中国人民政治協商会議の副主席を務めていた。

この非営利団体は、中国人民解放軍の対外工作部門と協力し、ワシントンの中国大使館が使う広告代理店を利用して、ロビー活動も展開していたという。

米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「左派系に限らず、保守系大手のシンクタンクにも中国共産党の資金がフロント団体を介して寄付され、幹部の責任問題になった例も聞く。寄付講座を立ち上げて、『親中派』の人間に担当させる手法もある。米国ではシンクタンクや研究機関のメンバーが政権中枢に入る場合も多い。中国側の思惑を察して資金提供を断ったケースもあるようだ」と語る。

中国共産党政権は、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を引き起こしながら、世界各国から知的財産を収奪して、軍事的覇権拡大を進めている。「自由・民主」「人権」「法の支配」を重視する米国は、中国の動きを警戒している。

ポンペオ氏は、国務長官就任前は、中国と最前線で対峙(たいじ)する、米中央情報局(CIA)の長官を務めていた。「対中強硬派」としても知られる。

東京で6日に開催された日米豪印外相会談で、ポンペオ氏は「(新型コロナの感染拡大は)中国共産党が隠蔽したことで事態が悪化した」「連携して中国共産党の腐敗、威圧から守らないといけない」と語った。

これに先立つNHKのインタビューでは、「これは米国vs中国という問題ではない。『自由』と『専制政治』のどちらを選ぶかの問題だ」「次の世紀が、ルールにのっとった国際的秩序による支配になるか、中国のような威圧的な全体主義国家による支配になるのか、という話だ」と指摘した。

米国のシンクタンクに情報開示を求めた今回の声明は、対中融和路線を取り続けた民主党オバマ政権の問題点を示し、「親中派」とされるバイデン氏を攻撃する狙いもあるのではないのか。

国際政治学者の藤井厳喜氏は「トランプ政権による『中国による米国浸透工作』を示すキャンペーンの1つだ。米国はオバマ政権時代から、中国に食い込まれてきた。インパクトの強いシンクタンクの問題を最後に持ってきたのだろう。バイデン氏は『息子の中国疑惑』も取り沙汰された。中国との関係はヘビーだ。ポンペオ氏の声明は、こうした動きと表裏一体ではないか」と語った。

前出の島田氏も「一般の有権者にどれほど訴えるかは分からないが、大統領選では1つのパンチになると考えられる」と語った。