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(永田町・霞が関インサイド) 岸田内閣組閣は「狡猾」な人事 高市、西村両氏を取り込み萩生田氏を党四役に

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第2次岸田改造内閣

8月10日午後、第2次岸田文雄改造内閣が発足した。今回の岸田首相による内閣改造と自民党執行部刷新は、かなり「狡猾(こうかつ)な人事」と言っていい。

盟友・安倍晋三元首相亡き後、フリーハンドを得た岸田氏は、ほぼ思い通りの人事を断行したということである。

注目すべきは、萩生田光一前経産相(安倍派)を自民党政調会長に据え、高市早苗前政調会長(無派閥)を経済安全保障担当相に据えたことだ。

萩生田氏は、オール経産省の留任待望論もあり、8日の閣議後の記者会見で「重要な案件が控えており、人が代わって大丈夫なのかという思いがある。継続が望ましい」と、自らの続投を求めるかのような発言をした。

エネルギー、グリーントランスフォーメーション(GX)、経済安全保障政策などでリーダーシップを発揮してきたことからの自負と受け止められた。

実際はどうなのか。

自民党政務調査会は政権党の主要政策の企画立案を担う1丁目1番地だ。それこそ現下の日本にとって、喫緊の課題である原子力発電再稼働から、防衛費GDP(国内総生産)比2%超の実現に至るまで政調会長の手腕に負うところ大である。

霞が関官僚群に政治力を行使して成し遂げれば、同氏には党内のさらなる高みが見えてくるはずだ。

同じく、党内保守派で安倍氏後継を自任する高市氏は、政府の経済安全保障政策を所管する。安全保障上の重要物資・エネルギーサプライチェーン(供給網)対策では、所管をめぐり経産省との線引きが難しい。

くしくも、西村康稔経産相(安倍派)とは、かつて同じ釜の飯を食べた関係である。ところが、事が単純ではないのは、3人ともに安倍氏に私淑した間柄であるが、保守度の濃淡に違いがあることだ。

憲法観からジェンダー(男女格差)問題まで、最右翼に位置する高市氏、その一歩手前に立つ萩生田氏、そして、さらに左側に離れる西村氏という印象である。

誰が次期安倍派の会長になるのか、誰が党内保守派の頂点に立つのかは別である。直截的な言いようだが、岸田氏は高市、西村両氏を閣内に取り込み、萩生田氏を党四役に囲い込んだことを「狡猾」と表現したのである。ただ、明らかになったのは、萩生田氏が頭一つ抜け出たことである。

河野太郎デジタル相は親分の麻生太郎副総裁の頭越し、森山裕選対委員長も、茂木敏充幹事長とソリが合わないことを承知したうえでの人事だ。

麻生、茂木両氏を両辺とする「権力の三角形」を確立した岸田氏は強かなのだ。

(ジャーナリスト・歳川隆雄)