イーロン・マスク、ツィッター買収で「高転びに転ぶ」か テスラ株急落、買収資金の確保に暗雲、SEC調査、議会は喚問(宮崎正弘国際情勢解題)

テスラ、スペースXで世界一の金持ちとなった『快男児』=イーロン・マスクがツィッターに買収を仕掛け、440億ドルで『合意』が得られた。
マスクがツィッターの株を買い占めていたと発表したのは4月26日、資金計画で難題が露呈したのが4月28日。ちなみに両者の株価を比較してみよう
4月25日(発表前日) 4月28日(見通しがでた日)
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ツイッター 52ドル10セント 47ドル90セント
テスラ 1000.63ドル 828ドル
テスラの株価はマスクが所有するうちの僅か1%の株式売却が発表された時点で、およそ17%の急落だったのである
投資家は常に未来の夢をみる。未来が暗く見えると株を売る。テスラの株価に天井を見たのだろう。投資する側にとっては株式保有によるインカムゲインか、売却により利ざやを稼ぐキャピタルゲインかの二者択一であり、テスラに未来に暗雲をみた投資家が多かったことになる。
さて「これから」の難題は三つある。
第一は買収資金440億ドルのうち、マスクが210億ドルを自己資金でまかなうとしているが、一方でテスラ株はもう売らないと言明しており、資金手当に不透明な部分が多いことである。
第二にツィッター側は営業利益が落ち込み、新分野のビジネス部門は赤字、大量の人員削減を余儀なくされようとしている。思惑通りの利益確保に疑念が拡がっている。
第三にSECが事前の大量株取得の報告義務を怠ったとし、調査を開始している上、議会にはマスクの証人喚問を求める動きがある。
▲マスクの狙いは言論の自由の回復である
もともとマスクの狙いはポリコレ是正にあり、ツィッターの言論空間で言葉狩りが急速に進んで自由な言論ができない閉鎖空間に陥っている。
ややトランプに近いとされるマスクは、左翼主導の言論空間へ挑戦するのであり、保守系、共和党支持者が、これからどれだけマスクを支援するかに、ツィッターLBOの成否がかかっているといえる。
そもそもテスラはEVの波に乗って時価総額が天文学的に飛躍した錬金術のたまものであり、トヨタの生産台数の十分の一以下の自動車メーカーの時価総額がトヨタの十数倍にもなるという、異常な、倒錯した株価形成と、株式市場は、夢を追いかけての投機行為に因る。
孫正義のアーム売却は司法介入により失敗し、巨額の違約金が課せられる。嘗てM&Aの王者、T・ブーン・ピケンズは失意の裡に死んだ。
信長は天下取りの直前に仆れた。マスクもまた高い転びに転ぶか?
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