東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう 

藤井厳喜『フォーキャスト2024』(ワック) トランプ以後の、次の10年、世界はどうなるか? 民主党はミシェル・オバマなら「トランプに勝てる」と出馬させる?

東アジア歴史文化研究会

世の中に『予測本』に類いする近未来シミュレーションが溢れている。大半が不確かなデータの都合の良いところだけを活用した、バイアスに基づくヨタ本と言える。

大前研一とかイケガミ某とかが持て囃されるのも日本の現代人の知性の衰えが激しいことを物語る。

この点で過去半世紀に亘って世界政治と経済のインサイドストーリーの本質をえぐる予測を繰り返してきた藤井さんの強みは、なによりデータしっかりしていることである。氏はクレアモントとハーバードで学び、アメリカ政界に独自のコネクションがある。

そのうえで戦略的な枠組みから、データを活用しての論理展開となるのも、確かな目で、予測を展開するから読者としては基本の方向性がのみ込める。この作業は一等重要なことなのである。

まず本書で問題にするのはGAFAMがアメリカ国籍ではなくタックスヘブンに本社を置く多国籍企業(というより「無国籍企業的グローバル企業」)であるという直截な指摘である

米国内でもバイデンの選挙母胎であるデラウェア州は、アメリカの中のタックスヘブンであり、世界的なタックスヘブンを牛耳るのは英国のザ・シティである

つまりジョンソン英前首相とスナク現首相とバイデンは、このタックスヘブンを拠点とする「グローバリストの代理人」であるだから英米は独仏EUを巻き込んでロシアを嗾(けしか)けた。ウクライナに代理戦争をやらせた

日本の不幸は、もっとも枢要な主権を放棄してLGBT法をエマニエル大使の命令で制定するような失態を演じる岸田政権が、こうした「無国籍企業的グローバリズム」に取り込まれていることである

GAFAMを基軸に、こうした無国籍的グローバル企業は、たとえばBLM(ブラック・ライブス・マター)に日本円で12兆円超を寄付している。アマゾン、アップル、IBM、フェイスブックにマイクロソフト等々。まるでアリバイ証明のように献金を競った。

BLM幹部はこれで豪邸を建てた。

また民主党の次の大統領候補だが、バイデンでは負けることが確かなので、ニューサム加州知事を準備しているが、藤井さんは『大穴』は「黒い肌をした赤い貴族」のミシェル・オバマだという。 選挙のプロなら考えそうな秘密兵器だ。そしてRKJ(ロバート・ケネディ・ジュニア)は、むしろトランプの票をくいあらす危険性があるとも指摘している

藤井氏は『文化マルクス主義』に関してこう観察している。

サウル・デビット・アリンスキー(1909〜1972)というマルクス主義革命家がいた。かれこそ現在の米民主党に最も大きな影響をあたえた人物の一人であるヒラリー・クリントンはウェルズレー大學の卒業論文でアリンスキーの文化的マルクス主義を取り上げた。(中略)オバマが大統領時代『オバマケア』と称する国民皆健康保険の実現に熱心だったのもアリンスキーの『人をコントロールする最も有効な手段は医療をコントロールすること』という言葉を実践したためだった」

ミシェル・オバマも、この影響下にあったらしい

アリンスキーの革命モデルは、1930年代にはじまったフランクフルト学派の社会心理学を応用したものだ。(中略)家庭を破壊することだとアリンスキーは(オバマやヒラリーに)教えた」(118〜119P)

アリンスキーはユダヤ人でコミュニティの組織論で知られる。 彼の著書『過激派のルール』で大衆を組織するに際し、世界を「今こうである」という状態から、「こうであるべき」という状態に変えたいと願う革命志向の人のために書かれた。マキャベリの『君主論』は、「持つ者」がいかにその権力を保つかについて書かれたが、『過激派のルール』は、「持たざる者」のために、いかに彼らが「持つ者」の権力を奪うかについて書かれた。印象として左翼過激派のアジビラのようだ。 丸紅米国会社ワシントンの峯尾洋一・事務所長は以下のように解説した。

ソール・アリンスキーは1909年、シカゴのスラム街でユダヤ系ロシア移民の子として生まれた。大学卒業後に大恐慌が起き、当初勉強していた考古学を諦め、大学院で犯罪学を学びイリノイ州で関連する職を得る。この間、研究のためのギャングとの接触の中で、力で人を自在に操る術を学ぶ。同時に犯罪の背景の一つである貧困に対する政府の無関心さに激しい反感を持つようになる。1938年、アリンスキーは職を離れ、以降は住民組織化に残りの人生をささげることとなる」。

アリンスキーには数冊の著作があるが、そのうちのラジカルの目覚めが、『市民運動の組織論』(長沼秀世訳、未来社。1972年)として邦訳された。しかし古本ルートでも入手困難、国会図書館にある。

ともかく左勢力の元凶は、この革命家だったとは

日本に殆ど伝わらない最新情報が詰め込まれた一冊である。

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世界経済や国際政治の近未来のガイドブック
今後10年間にどのようなことが起きるかを予測

・「民主的ナショナリズム」「独裁的ナショナリズム」
・「無国籍企業的グローバリズム」が世界で三つ巴の戦いを繰り広げている!
・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス紛争をウラで操り、第三次世界大戦を引き起こそうとするワルがいる!
・トランプ復活でアメリカ経済も復活なるか。
・“通貨戦争”ではまだドルが強い!
・台湾侵攻が目前に迫る中、どうするニッポン!?

はじめに──「平和を欲するなら戦争の準備をせよ」

序章 国家の限界を超えた資本主義
1章 世界は「三つの勢力」で動いている
2章 アメリカを破壊したい勢力
3章 手を結ぶ独裁者、習近平とプーチンの行く末
4章 通貨の群雄割拠時代が到来する
5章 平和ボケ日本が戦争を引き起こす

藤井厳喜 1952年、東京都生まれ。国際政治学者。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。77〜85年、アメリカ留学。クレアモント大学院政治学部(修士)を経て、ハーバード大学政治学部大学院助手、同大学国際問題研究所研究員。82年から近未来予測の「ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート」発行。有料のオンライン情報サービス「ワールド・フォーキャスト」主宰。古田博司氏との共著『韓国・北朝鮮の悲劇 米中は全面対決へ』、石平氏との共著『米中「冷戦」から「熱戦」へ』(ともにワック)など著書多数。