「トルードーの罠」(英誌『エコノミスト』が命名)って何だ? 支持率30%、不支持が65%、与党内からも『早く辞めろ』の声(宮崎正弘国際情勢)
カナダはいまも人口の70%が白人である。のこり30%のうち黒人は4%に過ぎず、イヌイットなど先住のインディアンが少し。アジア系が17%、ラテン系は2%となっている。
とくに、西海岸は中国、香港、台湾からの移民が夥しく、バンクーバーでは中国人の人口が97万人を超え、市そのものがチャイナタウン化している。そのうえバンクーバー市長は中国人のシム(中国名=沈観健、中国移民二世ゆえカナダ国籍)だ。
このカナダを率いる政治家はジャスティン・トルードー、元首相の父親の威光をついだ二世政治家である。噂によればカストロの御落胤説もある。
リベラル与党党首として、近代国家のモダンな様式にこだわり、地球温暖化、多文化主義、人権擁護、移民歓迎というリベラルな政策を採用、おりからのトランプの『アメリカ第一主義』とは対極の路線を追求してきた。
とりわけトルードーは「カナダの美濃部」と思われるほどに福祉ばらまき、社会保障の充実という名の下に予算を一方的に分配したため、社会構造の矛盾が吹き出した。たとえば、イヌイットなどの先住カナダインディアンは居住区に住み、手当がでるため、働いている人は少ない。昼間にインディアン集落へ行っても、大麻をすって酒を飲んでいる若者が目立つ。
インディアン集落だけが例外ではなく、社会手当の拡充によりカナダでは現在およそ百万人が働いていないのである。それでもトルードー政権は大麻解禁、不法移民の受けいれ、子供への援助政策拡大に傾斜し、NATO諸国の防衛負担2%を横目にカナダの防衛費はGDPの1・3%で、米国が批判してきた。
世論調査ではトルードー支持率わずか30%、不支持が65%。明日選挙が行われると与党大敗、保守党が第一党となる(『ザ・タイムズ・オブ・インディア』、10月21日)。
因みに直近のカナダの世論調査は下記である。
保守党 42・6%(ピエール・ポイリバレ党首)
与党 23・1%(トルードー与党)
新民主 18・3%(シーク派が支持基盤)
ケベック 8・0%(フランス語を喋り州の独立を唱える)
緑 4・5%(過激な左翼)
人民党 2・4%(極左)
(出典 「ニュースインタラクティブCBC」、カナダ)
党内からも有力議員複数が「彼は嘘つきだ。はやく辞任せよ。さもないと、次ぎの選挙で大敗する」と声を上げている。
G7でも日本の首相とおなじくらい目立たず軽量級に扱われてきたが、カナダも保革逆転、まさに「トル−ドーの罠」に陥った。
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