トランプ次期大統領はピーター・ナバロを貿易・製造業担当上級顧問に任命した。
高関税政策の提唱者でもあるナバロは、第一次トランプ政権で国家貿易会議の議長および貿易製造政策局の局長を務めた。
トランプ大統領は「ピーター氏の幅広いホワイトハウスでの経験を活用し、同時に彼の幅広い政策分析とメディアのスキルを生かす。彼の使命は、製造業、関税、貿易政策を成功裏に推進し、伝えることだ」とした。
ナバロは米国議会議事堂侵入事件で下院特別委員会への出廷を拒否したため、4か月の刑に服した「歴戦の勇士」でもある。
トランプはカナダとメキシコからの輸入品に25%の関税を課し、中国製品に10%の課税を課すとしている。狙いは中国の迂回輸出対策だが、メキシコとカナダに工場をたてた日本企業も深刻なトバッチリを受ける。
このあたりをナバロは如何に処理すれば良いかをトランプに進言できる立場になる。
高関税はインフレ圧力を強め、経済成長の見通しを圧迫するという悪評にもかかわらず、ナバロは貿易政策を「米国史上最も成功した防衛貿易政策の適用の一つだ」と擁護した。
2019年4月にハーバード大学のイベントに出席したナバロは、「リカードは死んだ」と宣言した。これは、国際貿易は常に有益であり、「比較優位」の理論によって国家は繁栄できると主張した19世紀の経済学者デビッド・リカードに言及したものだった。
ナバロによれば、19世紀の経済哲学は「産業スパイ、横行する不正行為、知的財産の盗難、強制的な技術移転、国家資本主義、通貨の不均衡」に満ちた現代の世界市場ではほとんど意味がないとする。
ナバロはウォール街の「グローバリストエリート」と称する人々が唱えた貿易協定には消極的だった。「ウォール街が関与し、交渉に介入し続けるなら、成立した取引はゴールドマン・サックスとウォール街のお墨付きを得ることになるので、悪臭が漂うことになるだろう」
USTR代表にトランプはジェミソン・グリア(元通商代表部代表ロバート・ライトハイザーの首席補佐官)を指名した。グリアは北米自由貿易協定を米国・メキシコ・カナダ協定に置き換え、中国に関税を課す取り組みに重要な役割を果たした。
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