トランプ、イスラエルへの軍事援助打ち切り! 驚くはずのエルサレム、狼狽が見えないのはなぜ?(宮崎正弘国際情勢)
11月4日、まさに中間選挙の投票日。
トランプ大統領はネタニヤフ(イスラエル首相)との協議を踏まえ、「米国はイスラエルへの年間40億ドルの軍事援助を今年末で打ち切る」と発言した。
十年前だった。2016年、オバマ大統領はイスラエルとの間で、武器購入(主に米国製)の補助金として少なくとも380億ドルを提供する10年間の覚書に署名した。
この協定は2028年末に期限を迎えるが、トランプ大統領は「資金提供は予定より早く終了する」と述べた。
「我々は彼らに40億ドルを援助してきたが、年末で打ち切る」とトランプ大統領はフォックスニュースとの電話インタビューに答えた。「国内政治の現実への配慮の一環である」とした。
大きな理由は、ミシガン州の民主党上院議員候補アブドゥル・エルサイードの異様な人気である。かれはイスラエルへの援助停止を選挙運動の争点としてきたのだ。
トランプは続けた。「彼ら(イスラエル)はそれを必要としていない。エル・サイードのような狂人から攻撃を受ける必要などないのに、なぜ我々がそんな目に遭わなければならないのか? 論点として不適切だ」
一方、ネタニヤフ首相は、米国の援助は縮小していくと予想してきた。抵抗なく、ゼレンスキーのように喚くこともなく、「40億ドルの米国援助が終了すること」に同意した。
ネタニヤフ首相はすでに26年1月、英誌『エコノミスト』に対し、今後10年かけてイスラエルへの米国の軍事支援を段階的に廃止したいと述べている。
また5月にCBSニュースの「60ミニッツ」のインタビューで同主旨を改めて表明し、イスラエルは経済的にも技術的にも成熟しており、援助に基づく関係からパートナーシップへと移行すべきだと主張した。
ネタニヤフ首相は語った。「我々は大人になったのだ。」
トランプ大統領は熱烈なイスラエル支援者であり、こうも発言している。
「アメリカとユダヤ国家との強固なパートナーシップはかわらない。第一に、私はイスラエルと非常に良好なパートナーシップを築いています。中東を守るための強力な戦闘力を持っています。中東において、私は完全に支配権を握っています。私たちには協力者がいます。それはイスラエルです」
しかし「米国における反ユダヤ主義の蔓延は、バラク・オバマ前大統領の移民政策が原因であり、中東からの多数の移民が反ユダヤ的な憎悪を国内に持ち込んだのだ」。
問題は10年間の「パケッジ援助」がおわるのであって、単発的な軍事援助は、その都度、行えばよいとする考え方に立脚している。だからトランプは続けた。
「今後もイスラエルは、好きなものを何でも買える。好きなものを何でも買えるんだ。ヨーロッパも同じだ。」
彼は続けて米国の防衛産業を称賛し、アメリカの製造業者がトマホークミサイル、パトリオット防空システム、THAAD迎撃ミサイル、その他の先進的な軍事装備のための新たな生産施設を建設していると述べた。
すなわち年間支援パッケージの終了であり、防衛協力の終了やイスラエルによるアメリカ製軍事装備品の購入禁止を意味するものではない。
日本への教訓。
「われわれも大人になった。日米安保条約は要らない」
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