東アジア歴史文化研究会のブログ

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米新政権で世界が対中軌道修正 EUは「投資協定」を加速 「中国嫌い」を短慮と諫めた英首相 (真・人民日報)

東アジア歴史文化研究会

2021.1.27
バイデン大統領誕生を受けた、欧州の対中姿勢に注目だ(ロイター)

1月20日、米国にジョー・バイデン新大統領が誕生した。やっと、と表現すべきなのだろうが、前途はまだ多難だ。

ではバイデン政権で対中政策はどうなるのか。

手垢のついたテーマで、私はずっと「急には変わらない」と予測してきた。

しかし、世界は米国の政権交代を機に対中政策を軌道修正し始めたようだ。

「えっ、中国ってコロナで世界の嫌われ者になったんじゃないの?」って声が聞こえてきそうだが、それこそ「好き嫌い」や価値観で世界を見ようとする日本人の悪癖だ。

2020年、中国とヨーロッパを結ぶ貨物列車の輸送量は、あのコロナ禍の中で対前年比36% も増加したという。米国がうるさいから「華為技術(ファーウェイ)排除」では足並みはそろえたが、その裏でしっかり関係を拡大し続けていたのだ。

このトレンドはバイデン政権の誕生でさらに加速し始めている。

1月14日にはボリス・ジョンソン英首相が対中政策に触れ、「私は、この国や政府が深く考えることなくある種の中国嫌いのポジションに傾くことを求めない」と語って話題となった。サイバー空間などの中国の動きには警戒が必要だとことわった上での発言だが、要するに国内に広がった「中国嫌い」を短慮と諫めたことは注目に値する。

バイデン時代を見据えた動きという意味では、欧州で顕著だ。

政権移行のなか最後の外国訪問として計画されていたマイク・ポンペオ国務長官の訪欧が、突如中止になったと米国務省が発表した。国務省は中止の理由を政権移行期のためとしたが、実は現地で会談予定だったルクセンブルク外相や欧州連合(EU)高官が会談を断ったからだとロイター通信がすっぱ抜いた。

米議会乱入事件の衝撃が大き過ぎたことも理由だろうが、それ以上にポストコロナの経済回復に中国が不可欠であるとの考え方があるのだろう。

実際、中国があれほど冷たい目を世界から向けられるなか、世界からの対中投資は6・2%の増加となり、平均して毎日100社が設立された勢いだった。

対中投資を大きく伸ばしたのはオランダとイギリスで、それぞれ47・6%と30・7%だった。

だが、こうした個々の関係よりも重要な動きは何といっても2020年12月30日、EUと中国の間の「包括的投資協定」の合意だ。英国のEU離脱と米国の新大統領就任という間隙での急展開は、バイデン時代の世界を大きく変えるインパクトを持つ。そのことを改めて来週触れたい。


■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。