そして中国の友人は誰もいなくなった
「そして中国の友人は誰もいなくなった」 (宮崎正弘コラム)
ワシントンタイムズのコラムでマイルズ・ユー氏
(5月16日)
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中国と国境を接する十四の国々のなかで、いまやロシアは猜疑心に溢れ、あの北朝鮮ですら中国への信頼は希薄化し、かつての朋友ミャンマーは過去二年、口も聴かない存在となった。ベトナム戦争中、弟分だったベトナムは公然と反旗を翻し、おとなしかったフィリピンは中国漁船の拿捕に踏み切り、アセアンで中国の代理人だったカンボジアも、先般はアセアン会議の中国非難の共同声明に反対しなかった。
北京が日本を攻撃すればするほどに世界に日本の友が増えて、いまやアジアのみならず、世界で中国は孤立を深めた。
こういう趣旨のコラムが米国の有力紙に現れた。
「中国の友人は誰もいなくなった」とワシントンタイムズのコラムニスと、マイルズ・ユー氏が書いた(5月15日付け)。
この四面楚歌という客観的情勢を自己認識できない中国は「すべての問題は外国が仕掛けてきた。中国に責任はない」と言い張り、世界中に日本が悪いと悪宣伝を振りまいてきたが、「世界のどの国も戦後日本が平和を志向し、どの国とももめ事を力で解決したことがないことを知っている。古い話を持ち出しても、世界は相手にしていない」(同ワシントンタイムズのコラム)。
たしかにベトナムの反中抗議行動は一部が暴徒化したが、ベトナム国会常任委員会は直ちに遺憾の意を表明し、「ベトナムに進出した外国企業の安全確保のために、あらゆる努力をする」と決議した。
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ベトナムの反中暴動、最悪の被害者は台湾企業だった
暴徒はなぜ台湾企業を中国企業と間違えたか?
(5月16日)
5月12日からベトナム全土で広がった反中国抗議行動、63県のうち22地区で一斉にデモ行進、抗議集会が開催され、一部が暴徒化。工業団地を襲い、中国企業工場に放火、暴力沙汰に発展した。
とくにハノイから南へ300キロにある台湾企業「台湾プラスチック」の工場が襲われて一名が死亡(『環球時報』は二名死亡と報道.NHKも)、90名から149名が負傷した。同社はベトナムにおける外国企業最大の投資規模を誇る。
台湾政府はただちにベトナムに抗議し、負傷者の治療補償、工場の修理補填を要求した。これは1993年に結ばれた台湾ベトナム投資協定に基づき、万一の暴動などの被害の場合、ベトナムが補償する内容となっている。
台湾企業の多くはすでに中国大陸から撤退しており、最大の移転先はベトナムである。繊維、アパレル、靴、加工食品、農水産加工、プラスチック、家具などが主な産業分野である。
台湾は与野党あげて、ベトナムへの抗議ならびに現地の安全確保の方策を馬政権に要求した。また当局は「わたしは台湾人です」とベトナム語で書かれたステッカーを二万枚印刷しベトナム駐在の台湾人におくることを決めた。台湾にとってベトナムはアセアン諸国の中で最大の投資先である。
それにしても何故、ベトナム人の抗議デモが中国企業と台湾企業を間違えたのか?筆者は2013年にホーチミン郊外の工業団地に台湾企業を訪問したときに目撃した或る情景を思い出した。
それは工場見学のおり、機械設備の要所に「気をつけろ」「注意を怠るな」などの訓辞、注意事項が張り紙されていたが、なんと繁体字ではなく簡体字だった。「どうして中国の省略文字を使用しているのか?」と問うと、工場長は「ベトナムで調達したコンピュータには簡体字しか入っていないからですよ」と気にもしていない風情だったのだ。「どうせベトナム人には読めませんから」。
そのことが仇になった?
▲ベトナムから大脱出をはかる中国人
他方、中国は死者がでたことに関して外交部がベトナム側に厳重に抗議した。ベトナムからは中国人らがカンボジア国境へ大量に逃げ出した。カンボジアとの国境ゲートも粗末な入国管理オフィスがあって、パスポートの小銭を挟まないとベトナム側は円滑に通過させてくれないほど末端の官吏たちも腐敗している。強く抗議したが埒があかず、三十分ほど待たされたことも思い出した。
中国外交部のスポークスウーマン華春栄は「ベトナムで過激な事態に遭遇する可能性がある」と旅行者に警告したとも発言した。同時にベトナムと国境を接する広西チワンン自治区には中国人民解放軍のあわただしい動きがみられ、中国軍には「第三級戦闘準備」態勢が取られていることが確認された。これは下位の危機レベルで、「休暇中の兵士は帰還し、随時戦争準備ができる態勢とせよ」というレベルだが、一触即発の危険性はある。
ワシントンタイムズのコラムでマイルズ・ユー氏
(5月16日)
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中国と国境を接する十四の国々のなかで、いまやロシアは猜疑心に溢れ、あの北朝鮮ですら中国への信頼は希薄化し、かつての朋友ミャンマーは過去二年、口も聴かない存在となった。ベトナム戦争中、弟分だったベトナムは公然と反旗を翻し、おとなしかったフィリピンは中国漁船の拿捕に踏み切り、アセアンで中国の代理人だったカンボジアも、先般はアセアン会議の中国非難の共同声明に反対しなかった。
北京が日本を攻撃すればするほどに世界に日本の友が増えて、いまやアジアのみならず、世界で中国は孤立を深めた。
こういう趣旨のコラムが米国の有力紙に現れた。
「中国の友人は誰もいなくなった」とワシントンタイムズのコラムニスと、マイルズ・ユー氏が書いた(5月15日付け)。
この四面楚歌という客観的情勢を自己認識できない中国は「すべての問題は外国が仕掛けてきた。中国に責任はない」と言い張り、世界中に日本が悪いと悪宣伝を振りまいてきたが、「世界のどの国も戦後日本が平和を志向し、どの国とももめ事を力で解決したことがないことを知っている。古い話を持ち出しても、世界は相手にしていない」(同ワシントンタイムズのコラム)。
たしかにベトナムの反中抗議行動は一部が暴徒化したが、ベトナム国会常任委員会は直ちに遺憾の意を表明し、「ベトナムに進出した外国企業の安全確保のために、あらゆる努力をする」と決議した。
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ベトナムの反中暴動、最悪の被害者は台湾企業だった
暴徒はなぜ台湾企業を中国企業と間違えたか?
(5月16日)
5月12日からベトナム全土で広がった反中国抗議行動、63県のうち22地区で一斉にデモ行進、抗議集会が開催され、一部が暴徒化。工業団地を襲い、中国企業工場に放火、暴力沙汰に発展した。
とくにハノイから南へ300キロにある台湾企業「台湾プラスチック」の工場が襲われて一名が死亡(『環球時報』は二名死亡と報道.NHKも)、90名から149名が負傷した。同社はベトナムにおける外国企業最大の投資規模を誇る。
台湾政府はただちにベトナムに抗議し、負傷者の治療補償、工場の修理補填を要求した。これは1993年に結ばれた台湾ベトナム投資協定に基づき、万一の暴動などの被害の場合、ベトナムが補償する内容となっている。
台湾企業の多くはすでに中国大陸から撤退しており、最大の移転先はベトナムである。繊維、アパレル、靴、加工食品、農水産加工、プラスチック、家具などが主な産業分野である。
台湾は与野党あげて、ベトナムへの抗議ならびに現地の安全確保の方策を馬政権に要求した。また当局は「わたしは台湾人です」とベトナム語で書かれたステッカーを二万枚印刷しベトナム駐在の台湾人におくることを決めた。台湾にとってベトナムはアセアン諸国の中で最大の投資先である。
それにしても何故、ベトナム人の抗議デモが中国企業と台湾企業を間違えたのか?筆者は2013年にホーチミン郊外の工業団地に台湾企業を訪問したときに目撃した或る情景を思い出した。
それは工場見学のおり、機械設備の要所に「気をつけろ」「注意を怠るな」などの訓辞、注意事項が張り紙されていたが、なんと繁体字ではなく簡体字だった。「どうして中国の省略文字を使用しているのか?」と問うと、工場長は「ベトナムで調達したコンピュータには簡体字しか入っていないからですよ」と気にもしていない風情だったのだ。「どうせベトナム人には読めませんから」。
そのことが仇になった?
▲ベトナムから大脱出をはかる中国人
他方、中国は死者がでたことに関して外交部がベトナム側に厳重に抗議した。ベトナムからは中国人らがカンボジア国境へ大量に逃げ出した。カンボジアとの国境ゲートも粗末な入国管理オフィスがあって、パスポートの小銭を挟まないとベトナム側は円滑に通過させてくれないほど末端の官吏たちも腐敗している。強く抗議したが埒があかず、三十分ほど待たされたことも思い出した。
中国外交部のスポークスウーマン華春栄は「ベトナムで過激な事態に遭遇する可能性がある」と旅行者に警告したとも発言した。同時にベトナムと国境を接する広西チワンン自治区には中国人民解放軍のあわただしい動きがみられ、中国軍には「第三級戦闘準備」態勢が取られていることが確認された。これは下位の危機レベルで、「休暇中の兵士は帰還し、随時戦争準備ができる態勢とせよ」というレベルだが、一触即発の危険性はある。
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