東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう

中国が日本国債を買い増している。その真意は奈辺にあるのか 表面的な理由は「米国債より金利が有利だから」(宮崎正弘国際情勢解題)

東アジア歴史文化研究会

不気味である。2020年4月から7月の四ヶ月間に中国は日本国債を1兆4000億円分購入し、武漢ウイルスによる外貨払底を否定するかのような投資行為をなしたことが日銀、財務省統計で浮かび上がった(日本経済新聞、2020年10月6日)。

ただし米国ファンド筋は2兆7700億円の買い越し、反対に欧州勢は3兆ドルの売り越し。

中国が外貨準備の通貨構成比を、ドル重視から日本円に移行し、ドル交換停止という近未来の最悪シナリオに備えているかのようだ。なにしろ日本国債購入を3・6倍に急膨張させたのだから市場が注目する。

中国の日本国債保有の累積額は2019年末に9兆4000億円だった。これに1兆4000億円の上乗せがあったと単純に計算すれば累積額は10兆8000億円になるので、海外勢の全体の8%を占めると算定される。

ただし市場関係者は中国の買い増し理由を「資本」「運用効率」「市場」のアングルでしか見ていないために「利回りが有利だから」とする分析が多い。

日本の国債金利はゼロである。投資家が、金利ゼロの債券を買うはずがない。ところがドルを円に転換する場合、上乗せ金利が発生し、実質金利が1・2%になるという。このからくりを利用して、米国債券を日本国債に移管するというポートフォリオの組み替えである。

まして世界的に孤立し、米国との対決姿勢を強める中国ゆえに、日本への発言力を強める手段として、国債保有増加を政治的武器に活用するという思惑がちらつく。