<3期目>習近平の「最終目標」とは?(国際政治学者・藤井厳喜)

■習近平、完全勝利で3期目へ
10月22日に中国共産党大会が閉幕いたしました。結論から先に申し上げますと、これによって習近平さんが完全勝利したということですね。この大会では習近平さんのライバルである「共産党青年団」、通称:団派と呼ばれる政治家たちがトップレベルから完全に排除されてしまいました。
もう一つは前国家主席の胡錦涛さんが最終日にテレビに映っている中で途中退席を迫られたということ。胡錦涛さんは、共産党青年団の中で出世して一番トップまでいった人です。席も習近平の隣に座っていたのですけど、本人は退席したくないという意志があったにもかかわらず、強制的に会場から連行されていく様子が世界に公開されました。
恐らく習近平さんからすると、胡錦涛さんの退場を見せしめにする目的があって、わざとカメラに映る場であの状況を演出したのではないかと思います。
北朝鮮やチャイナでは、わざと公衆の面前で政敵を逮捕したり、あるいは退席させたりして恥をかかせ、自分の方が力が強いということを示すというのが一つのやり方なんですね。
これを見ても、共産党青年団が習近平さんによって完全に排除されたということがよくわかると思います。
■迎えた3期目、中国はどうなる?
党大会の少し前、習近平さんは3期目に向けた新方針を発表しています。それには、チャイナの内政と外交面でそれぞれ一つずつキーワードがあります。
まず、外交では「人類運命共同体」。一見すると良い言葉ですが、彼に言わせれば「人類運命共同体を指導するのは俺だ」ということになります。
独裁で全世界を支配するのはほかでもない習近平である、という意味ですね。これはつまり、一般の言葉に直せば、「侵略覇権主義」と読むことができます。内政の方のキーワードは、「共同富裕社会」です。
つまり、鄧小平さんの時代からやってきた改革開放路線は取らず、鎖国経済にして再社会主義化をやるという意味ですね。チャイナはこれまで、資本主義も一部取り入れて積極的に貿易をして発展してきましたが、それを止めるということです。
この鎖国化によって、チャイナ経済が確実に弱体化し我々に与える影響が少なくなりますからこれはむしろ、日本にとっては良いニュースといえます。
■終身皇帝を目指す習近平の狙い
習近平さんの今の立場は国家主席であり、共産党総書記です。中国共産党では総書記が一番偉い立場ですが、実はそれより上のランクが存在します。それは「中国共産党主席」です。
中国共産党の終身の主席であったのが毛沢東であり、それ以降この主席というのは出ていません。ですから、習近平としてはチャイナの独裁者に一生居座り、共産党主席を狙ってるのです。
毛沢東の独裁以降、中国共産党の中では個人の独裁はやめて集団指導体制がとられてきました。これは毛沢東の文化大革命でひどい目にあった鄧小平の後の世代への教えだったわけです。
江沢民にしろ、胡錦涛にしろチャイナの指導者はそのルールを今まで守ってきたわけです。しかし、その集団指導体制からいよいよ習近平の独裁体制へと体制が変わりました。
当然、習近平のやりたい放題ですから、チャイナはこれから大変なことになるでしょう。もちろん周りの反発も強くなります。権力が集中して、最後はそれが崩壊していく前段階だと私は思います。
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