東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう

中国は大学卒業式のシーズンを迎えた 1158万人の新卒組の「売り手市場」が消えていた(宮崎正弘国際情勢解題)

東アジア歴史文化研究会

ネット上に飛び交っている不満のなかに次のような意見が散見される。

「おれのような惨めな下積み仕事じゃなくて、息子には何としても大學を出て貰いたかった。で、賢明には朝から夜中まで働き、徹夜の土木作業、道路清掃、建築現場の労働はきつかった。そして息子がやっと卒業した。ところが就職先がなくていまデリバリーをやってる。国有企業はよほどのコネでもないと入れないし、息子の夢だった外資企業は中国からでていくばかりだし、ゴミ収集の募集でも応募が十倍だ。おれ、何のために息子を大學へやらせたんだ」

中国の若者の失業率は4月20・4%,5月に20・8%,そして6月に21・3%と緩慢ながらも悪化している。この公表数字は16歳から24歳の「わかもの」と規定しているだけで大卒に絞ってはいないのである。

2023年の大學新卒は1158万(7月に卒業式 ヒトを募集しているのは小売り、レストラン、コンビニ、とくに不動産販売は求職があっても誰も行かない)。不動産バブル崩壊の象徴となった恒大集団は第一四半期決算を11兆円の赤字としたが、債務超過が47兆円という数字は発表されなかった。

理工学部系の卒業生もこれまではひく手あまただった。

AI産業は輝かしい希望に満ちていた。7月6日から開催された「上海AI会議」には、じつに4300社が参加した。だが、新卒者にとって就職の芳しい話は一つも聞かれない。

半導体産業の育成に補助金を出したら数千社が群がった。それが、軒並み姿を消した。

SMICは7ナノ半導体生産に成功したと報道があったが、その後の趨勢は不明だ。EVで成功したBYDのCEOは「中国にはAIの基礎がない。難しいと思う」とし、AIに進出する計画はないとした。

「それほど旨くいく筈がない」とサウスチャイナモーニングポスト(7月18日)の記者に答えている。理工学部卒業生にも明るいニュースがほとんどないというのが2023年の中国就職戦線である。