トランプの軌道に乗ろうとするベネズエラ暫定政権 米メジャーは石油施設などの投資に消極的で、トランプ提案に冷淡(宮崎正弘国際情勢)
ベネズエラの石油利権をめぐるトランプ政権とメジャーの話し合いが行われたが、意見は対立的で、まとまらなかった。
トランプ米大統領は、少なくとも1000億ドルの負担を業界に要請したが、石油企業幹部の反応は冷淡。出席者のひとりは「ベネズエラへの1000億ドルの投資が実現すれば、生産に大きな影響を与える可能性があるが、民間企業がこれほどの規模の投資を行うには、補助金と政治的安定が必要だ」と述べた。
「現時点で投資不可能」というのが大手石油会社の幹部らの意見だった。
石油メジャーの幹部たちは長年の経験から産油国の腐敗の構造と、指導層の傲慢で横着なメンタリティを知り尽くしている。嘗てイラクがクエートを侵略したとき、米軍が戦っているのにクエートの王族たちはエジプトやキプロス、マルタなどの高級ホテルを陣取り、美女を侍らせ酒を飲んでテレビで戦争を観戦していた。
ベネズエラも汚職が絶えず、軍は役に立たず、マドゥロ前大統領の警備はキューバ兵だった。防衛網と兵器システムはロシアと中国製だった。
ホワイトハウスでの会合の席上、エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は、「当社はこれまでに2度にわたり資産を差し押さえられており、三回目の参入にはこれまでの状況や現状からかなり大きな変更が必要になる」と述べた。
ベネズエラは100年前に石油が発見されて以来、国際石油企業と複雑な関係を保っている。シェブロンは、現在も操業を続ける最後の大手アメリカ石油会社である。現在マドゥロ大統領の元副大統領デルシー・ロドリゲス暫定政権と連携していると述べた。
嘗て左翼反米活動家だったロドリゲス臨時政権は、トランプの軌道に乗っており、米国はこの暫定政権とは激突しない方針と言われている。
ベネズエラの石油生産は、ここ数十年、投資撤退と不適切な経営管理、そして米国の制裁によって打撃を受け日量100万バレルの石油生産量は、世界の供給量の1%未満に過ぎない。
同国の生産量の約5分の1を占めるシェブロンは、現在のプレゼンスを活かして生産を強化する。
エクソンは、今後数週間以内に状況を評価するために技術チームを派遣すると述べるにとどめた。
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