東アジア歴史文化研究会のブログ

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“AIマゲドン”、自律兵器化の懸念するアンソロピックvsトランプ政権 政府との契約がAI開発をさらに加速するのは事実だが(宮崎正弘国際情勢)

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AI企業の国防総省との関係、とくにAI統制をめぐっての確執、トランプ政権との対立が浮き彫りとなったのが所謂“アソロピック・ショック”だった。


アンソロピックは一時的に政府との取引を失い、一方で「オープンAI」は新たな契約を獲得した。まるで血を地で洗う生存競争である。


ビッグテック企業間の開発主導権と政府契約獲得合戦で展開される露骨な対立は、各社の先端技術が国防で活用出来るか、どうかという国家安全保障上の問題である。


アンソロピックは倫理道徳を持ち込んで政府の全面監視に反対した。


簡単にいうと国民監視方面には許可を得て使え、との要求に対して、移民税関捜査局(ICE)はすでに不法移民識別、強制送還データに使用している。


アンソロピックは自律兵器への転用と拡大を懼れているが、それは「AIが人間の指示に従わず独自の行動を開始する」ことを制御するシステムがまだ未成熟だからだ。


CEOのアモディはこういうメモを書いた。


「私たちはトランプ氏を独裁者のように称賛していません(オープンAIのサム・アルトマンはそうしています)。AI政策に関する多くの問題(雇用の喪失など)について真実を語ってきました。そして、従業員の利益のために『安全劇場』を演出するために彼らと共謀するのではなく、誠実に自らのレッドラインを守りました」


かくアモディはアンソロピックのトランプ政権への非協力的な態度を弁明したが、すぐにメモの表現を謝罪し、考えが変わったと述べた。


アルトマン(オープンAIのCEO)はアンソロピック批判を続け、「政府は民間企業よりも強力であるべきだ。国防におけるAIの活用方法は選出された議員が決定すべきだ」と述べた。 つまり政府の決定には従うと言っているのである。


一方、アモディは、「AIが大規模監視にどのように利用されるかについて、議会が現行法では対応できていない。議会が検討すべきだ」と責任を議会に向けた。


華やかに見えるシリコンバレーでも、嫉妬、野心、貪欲に駆られた確執が溢れている。故スティーブ・ジョブズ対ビル・ゲイツ、アップル対サムスン、イーロン・マスク対ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグの確執もある。


経済的な観点からいえば、消費者には裨益する。イノベーション、価格、そして競争力で相手を出し抜こうとするから価格は下がり質は向上する。


アントロピックは、オープンAIから独立して、アモディが立ち上げた。アモディによれば「雇用主のAIに対する安全性への懸念から」独立したと発言しているように両者は“宿命のライバル”である。


▼AIバブル崩壊は秒読みではないのか


世界で株式市場が暴落したのは原油高が主因であって、まだAIバブル破綻ではない。


所謂“AIマゲドン“はいずれ襲来するが、現在のAIブームと狂乱投資をみていると、イラン攻撃による効果により先行きのビジネスに展望があるからだ。


だがジェレミー・シーゲルが『株式投資の未来』(日経BP)のなかで述べた「成長の罠」が潜み、「大型テック株の評価は高すぎて正当ではなく愚か者の博打だ」。


3月9日、新事態となった。


アンスロピックは、国防総省が同社を「サプライチェーンリスク」と位置付ける決定に異議を唱え、北カリフォルニア地区連邦地方裁判所とワシントンDC巡回控訴裁判所にそれぞれ1件ずつ訴訟を起こし、国防総省がイデオロギー的な理由で同社を処罰するためにサプライチェーンリスク指定を不適切に利用したと非難した。


つまりペンタゴンがアンソロピックを「ブラックリスト」に載せたことは、連邦政府との取引を遮断するもので、通常は敵対的な中国政府とその関係企業など、国家安全保障上の重大なリスクとみなされる企業に適用されるが、アメリカ企業に使用された例はない。


アントロピック社は、自社のAIが米国民の大量監視や自律型殺傷兵器に利用されることを望まないと主張した。一方、国防総省は、民間企業が米国政府の政策を策定することはできないと主張した。


アンスロピック社のAI技術は、国防総省内の機密システム、就中情報機関が収集する膨大なデータを分析し、情報を迅速に選別するために利用されている。ベネズエラとイランの軍事作戦でも活用された。


アンスロピックとは異なり、OpenAIは国防総省が自社のAIシステムをあらゆる「合法的な目的」で使用することに同意した。同社はまた、自社の技術に特定の技術的ガードレールを設けることで、いわゆる安全原則を遵守できる条件についても交渉したと述べた。


するとアモディは別の角度からアルトマンを批判し始めた。アモディは1月のダボス会議で、ソーシャルメディア出身のリーダーが経営するAI企業の倫理性に本質的に疑問を呈し、オープンAIの道徳、倫理を揶揄した。


ところが二月にインドで開催された「AIサミット」ではモディ首相を挟んでアモディとアルトマンは仲良く手を組んで見せた。


それはさておき、両社がIPO(株式新規公開=株式上場)を検討していることが明らかになるや、こうした形而上的な論争など投資家やファンドには興味が薄く、上場はいつか、幾ら稼げるかの皮算用に明け暮れている。