温家宝元首相、公衆の前に姿を現した 健全さをアピール、政治的意味を込めた(宮崎正弘国際情勢)
3月27日、温家宝元首相は中国科学院地理科学・天然資源研究所を訪問した。集まった人々に手を振る姿が映像で流れ、噂の「消息不明」や「死亡説」などの憶測に間接的に答えた。
温家宝は、元地質学者である。
https://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/5387095
数百の見物人の輪ができて、「首相、こんにちは!」と叫び、携帯電話を掲げて写真を撮ったり、即席の歓迎風景だった。
温家宝が専門分野に関連する研究機関を訪問したことは、外部からは極めて象徴的な「凱旋訪問」と見なされる。温家宝は北京地質学院(現・中国地質大学)を卒業後、権力の中枢に入る前に約20年間、地質学分野で研究に従事していた。ゆえに別名は「宝石博士」。
温家宝は2013年の引退以来、公の場に姿を現すことがほとんどなかった。なぜなら夫人と長男のマネースキャンダルをニューヨークタイムズがすっぱ抜いた為、自ら謹慎生活をしていたことが大きい。
しかし温家宝自らが、張又侠と謀って習近平に退位を迫ったとか、自宅軟禁状態に置かれ捜査が差し迫っている、「逮捕されそう」「行方不明になった」といった噂や、習近平によってベテラン派閥が弾圧されているといった噂を否定するなど、いくつかの重要なシグナルを政治的に伝えたことになる。
中国共産党の政治文化では、引退した国家レベルの指導者の公の場への登場は通常、事前の手配が必要となるが、今回温家宝が北京で国民と交流できたことは、彼が依然として行動の自由を有していることを示している。
温家宝が研究機関に姿を現すことを選んだのは、穏健なテクノクラートとしての過去のイメージを維持しつつ、政治的な示威を含んだと解釈される。
もっとも新華社通信と中国中央電視台は報道していない。
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