大連、厦門に新空港、海南島は免税特区で香港を超えるオフショア市場に それでも中国、だからこそ中国。強気、強気のイケイケどんどん路線(宮崎正弘国際情勢解題)

遼寧省大連は、日本人にとって郷愁のある町だ。『アカシアの大連』は清岡卓行の芥川賞受賞作。旧満洲時代には大連に満鉄本社もあり、居留邦人は数万人が暮らした。ヤマトホテルは赤絨毯に高い天井。当時一流のホテルだった。いまも大連賓館として中山広場に残る。
大連市長は、かの薄煕来だった。のちの遼寧省長は李克強だった。このあたりまで大連は急カーブの成長を続けた。石炭が寂れ炭鉱町が廃れ、製鉄など国有企業の倒産、習近平の旧瀋陽軍区が暗く響いて、昨今は斜陽の道を転がり落ちてきた。
遼寧省は吉林省、黒竜江省をふくめたラストベルト地帯となって経済は顕著に沈降した。
GDP成長は2020年に0・41%だった(『サウスチャイナ・モーニングポスト』、5月4日)。大連のGDPは大きく陰り、2012年に13・8%成長だったが、19年には6・5%に落ち込んでいた。黒竜江省の哈爾浜に遅れをとった。
東北三省の復興をどうするか。
大連に新空港建設の喇叭が吹かれた。人工島を21平方キロ埋立て、香港國際空港の二倍の規模をもつ東北三省の玄関口とする。年間4300万人の旅客を見込み、大連市政府は着工を決めた。20年の旅客実績は900万人以下だったが。
中国政府は2030年までにあと30ほどの新空港を建設すると強気を崩さない。
もう一つの目玉は厦門である。計画中の大連の二倍の規模として、予算は83億ドル。旅客は大連より遙かに多いのも、対岸の台湾からの航空機乗り入れがあり、観光の拠点ともなったからだ。
また海南島開発もフェイズが変わった。
海南島の江東地域にオフォショア金融センターを併設し、免税特区とすることなどの計画が発表された。法人税を15%(香港は16・5%)とし、進出企業への優遇、いずれ香港、シンガポールと並ぶ國際金融都市建設を謳っている。
年初来、すでに412社が海南島に現地法人を登録した。
注目は2020年12月に辣腕政治家の沈暁明が海南省党書記に就任していることである。
沈暁明は紹興の人(魯迅も紹興人)。上海交通大学をでて、才能が認められとんとん拍子の出世をしてきた。58歳。なぜ注目されるかといえば、上海にテスラの工場を誘致した中心人物だからだ。
すでにリゾートの本場、三亜には免税ショッピングビルが誕生しており、香港で失ったブランド販売も、ここでは大活況。中国国内でここだけが免税だからだ。北の玄関口の海口にも同様な免税ビルの建設が進んでおり、ハコモノづくりはまだまた強気なのである。
さすがにイケイケどんどん路線の中国。将来の債務は考えないことにしよう。だからこそ中国か。
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