【黒社会大陸 中国②】一般市民に牙むくマフィア組織 反腐敗運動で公安と黒社会の“癒着”希薄に
2016.08.24
5月、黒竜江省ハルビン市の夜市で、鶏の空揚げを販売していた19歳の男性が男に刺殺された。男性が黒幇(ヘイパン=マフィア組織)からのみかじめ料要求を断ったことが原因とみられている(中国ニュースサイトの蘇北網)。このほか、みかじめ料を拒否して黒幇の構成員から暴力を振るわれたり、店を打ち壊されたりといったニュースは、このところ枚挙にいとまがない。
広東省深●(=土へんに川)市で日本食料理店を経営する日本人男性(41)も話す。
「路上の露天商などは、その場所を縄張りとする黒幇からみかじめ料を徴収されていましたが、今は店舗を構える飲食店も要求されるようになった。特に本来、飲食店営業ができない場所でやっている店や、衛生や消防の面で法的にグレーな店は、立場が弱いので狙われる。みかじめ料の支払いを断ると、数十人の構成員がやってきて何も頼まず居座るという、日本のヤクザがやっていたような嫌がらせを受けることもあるようです」
こうしたなか、市民からは黒幇に対する反感はもちろん、それを放置する公安当局への不満も高まっている。そこで習近平政権は、嫌われ者の黒幇を徹底的に叩き、民衆の支持を獲得する「打黒除悪」(マフィア殲滅作戦)に打って出たというわけだ。
ところが、そもそも黒社会が一般市民に牙をむくようになったのは、習政権による政策がきっかけだという話もある。
「彼らが一般市民から搾取をするようになったのは、2014年の大々的な掃黄(売春取り締まり)によって売春という彼らにとっての大きなシノギ(資金源)を失ったことが一因と言われています。一般市民を巻き込むことは、手を結んでいる公安のメンツを潰すことになるため黒社会側も控えていたが、もはや『背に腹は代えられない』というわけでしょう」(前出の日本人男性)
習政権になって以来、掃黄のほかにも違法カジノや違法薬物、各種ニセモノといった、これまで地方の公安当局に黙認されてきたシノギの数々も、中央の号令によって取り締まりが強化されている。また、反腐敗運動によって公安と黒社会の癒着構造も希薄になったと言われている。「シノギは公安のメンツを潰さない範囲で行う」という、これまでの両者の紳士協定は崩壊したのだ。 =つづく
(奥窪優木)
5月、黒竜江省ハルビン市の夜市で、鶏の空揚げを販売していた19歳の男性が男に刺殺された。男性が黒幇(ヘイパン=マフィア組織)からのみかじめ料要求を断ったことが原因とみられている(中国ニュースサイトの蘇北網)。このほか、みかじめ料を拒否して黒幇の構成員から暴力を振るわれたり、店を打ち壊されたりといったニュースは、このところ枚挙にいとまがない。
広東省深●(=土へんに川)市で日本食料理店を経営する日本人男性(41)も話す。
「路上の露天商などは、その場所を縄張りとする黒幇からみかじめ料を徴収されていましたが、今は店舗を構える飲食店も要求されるようになった。特に本来、飲食店営業ができない場所でやっている店や、衛生や消防の面で法的にグレーな店は、立場が弱いので狙われる。みかじめ料の支払いを断ると、数十人の構成員がやってきて何も頼まず居座るという、日本のヤクザがやっていたような嫌がらせを受けることもあるようです」
こうしたなか、市民からは黒幇に対する反感はもちろん、それを放置する公安当局への不満も高まっている。そこで習近平政権は、嫌われ者の黒幇を徹底的に叩き、民衆の支持を獲得する「打黒除悪」(マフィア殲滅作戦)に打って出たというわけだ。
ところが、そもそも黒社会が一般市民に牙をむくようになったのは、習政権による政策がきっかけだという話もある。
「彼らが一般市民から搾取をするようになったのは、2014年の大々的な掃黄(売春取り締まり)によって売春という彼らにとっての大きなシノギ(資金源)を失ったことが一因と言われています。一般市民を巻き込むことは、手を結んでいる公安のメンツを潰すことになるため黒社会側も控えていたが、もはや『背に腹は代えられない』というわけでしょう」(前出の日本人男性)
習政権になって以来、掃黄のほかにも違法カジノや違法薬物、各種ニセモノといった、これまで地方の公安当局に黙認されてきたシノギの数々も、中央の号令によって取り締まりが強化されている。また、反腐敗運動によって公安と黒社会の癒着構造も希薄になったと言われている。「シノギは公安のメンツを潰さない範囲で行う」という、これまでの両者の紳士協定は崩壊したのだ。 =つづく
(奥窪優木)
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