東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう 

『日本のIT産業が中国に盗まれている』深田萌絵著(ワック) 中国の「ハイテク泥棒」は天下一品、歴史的な「諜報戦争」の一環である ITという次世代技術への無知は、いずれ日本を滅ぼす

東アジア歴史文化研究会

ファーウェイの創業者は任正非という、根っからの軍人である。設立当初から人民解放軍のダミー、別働隊と言われたが、民間企業を装って西側のハイテク企業との連携を深めた。著者の深田女史は中国の軍事戦略の底流にある「超限戦」を重視して、衝撃的ともいえる持論を展開する。

スマホで世界第二位、基地局で世界三位。もはや侮れない大企業に変身した。実際に評者(宮崎)、まさかと思われたのだが、東チモールの山奥で、原住民がファーウェイのスマホを駆使している現場を目撃してきた。

ミャンマーの未開地、ロビンギャの居住区だったシットウェイとか、チャッウッピューとかの貧しい漁村にさえ、ファーウェイとOPPO(中国の格安スマホ)の販売店があった。

米国はファーウェイを「スパイ機関」と認定した。ハイテクの合法的移転ではなく、ファーウェイは「ハイテク泥棒」であると定義づけたのだ。トランプ政権は政府機関、軍、警察の職員の使用を禁止し、スパイを次々と摘発するにいたる。

本書は会社経営で辛酸をなめ、数々の妨害を受けながらもファーウェイの欺瞞、その本質を暴き、言論戦で戦い続けてきた深田さんだけに、「猛女」「烈女」の赴きがあるが、ものごとに動じない大和撫子の挑戦状でもある。

ハイテクになじみのない読者にとってはやや専門すぎるタームの頻出に驚かれるかも知れない。通読して最大の驚きは、このスパイ機関のことを日本の政府、機関、シンクタンク、そしてメディアが、本質を見ないで枝葉だけをもぎ取って「中国、すごーい」という視点で論じてきたことである。楽天的お花畑のなせる業だ。

そのため日本が中国のIT技術の草刈り場となり、ハニー・トラップに引っかかって中国の代理人に成り下がって日本人が夥しい。

これは宣戦布告なき、一方的な中国の諜報戦である、と筆者は断ずる。評者(宮崎)がとくに瞠目したのは、すでに「台湾、北朝鮮、中国」という竹連幇を通じての闇のコネクションが存在していることだった。この裏舞台、闇の繋がりが国際的に複雑なルートを通じて連携し且つ、民間企業を偽装し、軍事技術の取得に余念がないという実態が描かれている。

そして米国においてさえ、ハイテク企業でCEOがトランプ支持者という人たちが狙われ、このところ連続して失脚していること。

日本企業は「自社企業に浸透した台湾中国からの報復を怖れて誰も何も語ろうとしない」という恐るべき現実にも直面している。これは私たちの周囲にすでに中国人がどこにでもいることからも判定できる。
「日本国内の基地局は米国政府が調達を禁止しているファーウェイの製品が過半をしめている」と深田さんは指摘する。

だが、もっと驚きはすでに日本政府機関に夥しい中国の工作員が潜入しているという事実だ。たとえば、「日本の国立研究開発法人『情報通信研究機構』に北・中・イランの工作員が入り込み、仲良く衛星ハッキングのための工作活動を行っていた」(100p)。

対策をとるに、いったい何から始めたら良いのか、ここまでの通信災禍、ハイテクの危機である。

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2018・12・1--ファーウェイ創業者の娘・孟晩舟がカナダで逮捕---それを聞いた著者・深田は「やっと、この日が来た!」と、思わず体が震えたという。というのも、彼女は8年前にファーウェイから、散々な目に遭遇していたからだ。その体験手記「ファーウェイとの八年戦争」を「ウイル」(2019年2月号)に発表。
本書は、さらにファーウェイをはじめとする中国企業の世界に張りめぐらされたスパイ網を暴き、ITへの無知が国を滅ぼす現状に警告をならすノンフィクション大作。
---中国のやっているのは技術移転ではない。中国は技術泥棒国家だ!日本にはスパイ防止法がない、いまや中国の技術盗掘の草刈り場だ。トランプの対中貿易戦争開始でハイテク技術を米国から盗めなくなった中国。これからの標的は日本だ。

私がこの目で見たこと、調査した結果を語ると、決まって「そんな話、聞いたことがない」と驚かれることに逆に驚かされてきた。IT、半導体産業に従事する人々は何も気が付いていないか、自社企業に浸透した台湾・中国からの報復を恐れて誰も何も語ろうとしない。中国は、インテルの社長ですら辞任へと追い込む政治力を持っている。
自分のような未熟な若手がおこがましいと思いつつ、自分が語らなければ、業界人が人生を懸けて彼らを告発することはないだろう---著者の言葉。

プロローグ——日本人にとって本当の戦いが始まった

第一章 
ITへの無知が国を亡ぼす
私たちはすでに戦場にいる
ファーウェイのスマホを使ってはいけない
中国に支配されたシリコンバレー
プラットフォーム企業にのしかかる膨大なコスト
上場企業の外国人支配
ネット空間の言論統制
中国型インターネットと米国型インターネット
移民受け入れより日本の低消費電力型スパコン技術の開発を急げ
ペジー・バッシング——朝日による偏向報道は日本の技術潰し
ノーモア技術泥棒

第二章 
半導体業界を支配する闇社会
台湾半導体シンジケート「青幇」
日本の最先端技術をめぐる中・台・北の暗躍
日本政府の怠慢
北朝鮮サイバー軍の攻撃はもう始まっている
人工知能で自動化するサイバー戦争

第三章 
スパイ合法国家の末路
心理戦でスパイ化される日本人
裁判所にまで工作員が⁉
蓮舫氏が国会議員であってはならない理由

第四章 
日本を脅かす悪のトライアングル——中国・北朝鮮・台湾
中国が支配する仮想通貨
ビットコインは北朝鮮の資金源
北ミサイル製造機械は台湾製
すべては台湾から!
ドゥテルテもキレた! 北朝鮮製ドラッグ
国際条約で規制できない台湾
経産省と警察の連携を
金正恩よ、ミサイルを撃て!
「親日・反日」では見誤る


著者について
深田萌絵(ふかだ・もえ)
ITビジネスアナリスト。Revatron株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代にファンドで財務分析のインターン、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務の後にリーマンショックで倒産危機に見舞われた企業の民事再生業務に携わった。現在はコンピュータ設計、チップ・ソリューション、AI高速処理設計を国内の大手企業に提供している。