東アジア歴史文化研究会のブログ

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう 

「さよなら中国」。日本企業の第一陣は87社が中国から離脱 「ただいま」と、そのうち57社は日本へ復帰。焦燥感漂う中国(宮崎正弘国際情勢解題)

東アジア歴史文化研究会

ピークは2012年だった。中国進出の日本企業は14393社だった。

2013年からエクソダスが始まり、2016年に13934社となった。2019年には13685社(帝国データバンク調べ)。

中国にとって日本は最大の貿易相手国。日本にとっても二番目の貿易相手である。

ようやく全体の1%未満だが、87社がコロナ以後の経済の落ち込みを理由に撤退を決めた。日本政府がしずかに奨励し、補助金、低利融資に舵を切ったことが、じつは最大の契機である。

2020年7月末、ジェトロの統計に拠れば、このうち57社は日本へ復帰する。残り30社はアジアのベトナム、ミャンマーなどへ工場を移転する。日本政府の補助金は、第一陣に対して6億5300万ドル(日本円で692億円=一ドル=106円で計算)。

第二陣が近日中に続く。作業が遅れているのはコロナ災禍で人の行き来が止まったからである。

撤退理由には、アメリカが中国のハイテク企業を排斥し始め、米中摩擦が激突の段階へ突き進むと、従来の中国の未来図に暗雲が拡がり、企業戦略としても、中国との関係を根本的に偏向する必要が生じたからだ。

サプライチェーンに組み込まれている以上、電気、電子、とりわけコンピュータ、スマホ、そして自動車とその部品メーカーは、「いますぐ」に撤退というわけにはいかない。そればかりか、トヨタなどは工場増設を決めている。

日本が中国と切れることはないとタカを括ってきた中国は焦燥感に取り憑かれ、習近平のメンツを失いかねない動きではないか、と政治的に神経質になった。

一方、アメリカはトランプ政権の対中政策の強硬措置が連続し、「同盟国」である日本にもファーウェイ排斥、ELリスト掲載の中国起業との取引停止などから、今後「新ココム」の制裁対象として日本企業を監視することになる。

「とくに強要はしないが、日本企業は独自の賢明な判断をするだろう」(CSIS幹部)。

というのもジェトロの在中国日本企業の調査によれば、進出日本企業のうちの80%以上は「撤退など考えていない」と回答している。また中国の国内市場を狙って進出した産業は「販路拡大が今後の課題だ」と撤退には背を向けているという。

基本的には国家安全保障の問題であって、私企業の利益ではない。極小化、供給源の多角化は、基幹的な戦略であり、これを怠った日本企業にはそもそも「戦略的思考」が苦手なのだ。